HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
| ファッション | - 2008/06/22
- 60年代に入ってアート・ブレイキーが来日してテレビ出演した。
中学生だった私は知り合いのお兄さんと一緒に白黒のテレビを見た。 今までにない、音楽で私には衝撃だったが、それ以上にファッションがカッコよかった。
長野の田舎では、それ以来ジャズに接する機会は無いので聴く事はなく、以後もっぱらラジオの当時流行りの「電話リクエスト」を聞くだけの毎日で、お陰でPOPSは良く聴いた。 田舎といえ、若者のファッションへの興味は抑えがたく、青年用週刊誌等を買って来ては、一生懸命にデザインを盗んだ。 といっても私が興味ある服を売っている訳ではないので、自分でミシンを使ってズボンを細くした。今思えば涙ぐましい努力であった。
それが高校を卒業して上京すると、ジャズ喫茶に通うようになりもうジャズ一辺倒でアメリカ狂いは最高潮。 当時のジャズマン、特にジャズ・メッセンジャーズのリー・モーガンの写真など見れば、解るが、ハーフブーツを履いていて、ズボンの丈は短く、細い。あのファッションは衝撃的だった。 そういうスーツは東京には無いので、立川周辺にある黒人相手の仕立て屋さんに言ってオーダーすることになる。 生地は「玉虫」と呼ぶ光沢のあるともので、すっかりアメリカン。
思えば、ジャズ・メッセンジャーは私に、音楽だけでなく、ファッションまで教えてくれたのであった。 VANの服も買ったけど。
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| ラーメン屋 | - 2008/06/20
- 裏にラーメン屋開店。
行ってみたら、こってり系ながら結構美味しい。 ま、年寄りには無理な味だな。
しかし、この界隈昔はレコード屋街と呼ばれていたが、今はすっかりラーメン屋街。 そもそもこの辺りは新宿駅のすぐ傍にも関わらず、夜の仕舞いも早く、人通りもなく、店を出してもすぐに潰れるので、地元では倒産通りという別称もあったほど。 それが、例のラーメン「武蔵」が来てから、がらっと変わった。 なんといっても雑誌の人気投票で日本一となった事もあって、客が引けないことが無い店になってしまったのである。 その影響で、オレもオレもと、腕に自慢のラーメン屋が店を出し始め、あっというまにラーメン街。
その反作用か、レコード屋は元気がない。 そんな事ではいけません。 新宿のレコード屋、がんばれ! って、オレもレコード屋だ。
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| 無言 | - 2008/06/18
- タクシーを拾おうと思って、待っている青年の次に並んだ。
スーツを着た立派な青年はスポーツ新聞を大きく広げて、立ったまま読んでいる。 そこにタクシーが通りかかったが、紙面のエッチ記事に気を取られたのか、見過ごしてしまった。 慌てて手を挙げても、もう遅い。 人間よりタクシーの数の方が多いと言われている新宿なので、慌てる事もないから、私は観察する事にした。
程なく次のタクシーが来たが、新聞読みながら、今回はちゃんと手を挙げて合図。 タクシーが寄ってくる。 彼はそれでも新聞から目を離さない。 ドアが開く。 新聞広げたまま乗り込む。 ドアが閉まる。 一言、広げた新聞越しに何か言ったような気配。 車はスタート。 新聞広げたまま。
おい、コミュニケーション取れよ!
観察していた俺の方がアブナイかも。
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| コルトレーン | - 2008/06/15
- コルトレーン(John Coltrane) "Cosmic Music" Coltrane Records CRS5000
入荷。
コルトレーンの作品の中でも、かなりのレア物で、集めると最後の方に残ってしまうものだ。
個人的な思い出。
私がまだ会社勤めをしている時に、通ったジャズ喫茶にこれが一枚あった。 「売ってよ」とマスターに言うと「3万円なら」 当時このレコードの相場1万でも高いと言われていた時代。3万では買えないからと話は終わり。当時社内にもう一人マニアがいたが、マスターは彼に「2万でどうだ」と声を掛けていた。 私がそれを聞きつけ、「おかしいじゃないか」と言うと、お金のある人に吹っかけるのは当然の事、「あんたは3万」と平然としていた。 ケチ過ぎるよマスター。
そのジャズ喫茶しばらくぶりに行ったら、マスターが代わっていた。店を買ったらしい。 「いや、ここにねCOSMIC MUSICがあってね。あれ欲しかったんだよ」 「知ってますよ。前のオーナーから聞いてますから」 「売るかい?買うよ」 「幾らですか」 「3万だな」 「えー。どうせ10万以上で売るんでしょ、10万なら売ります。」 「.....」 絶句して帰ってきた。 前のマスターもケチだったけど、今度のマスターも相当ケチだ。
いい加減にしろ!これが10万で売れるほど、レコード屋稼業は楽じゃないんだぞ、と。 愛情を込めて、「お前等ケチだぞ」。しかし、二人とも立派な商売人だ。恐れ入谷の鬼子母神。
実は5000番のレコード売れてしまったので、4950の番号の写真を掲載した。色がちょっと違うけど、まあいいか。
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| Hank Mobley 1568 | - 2008/06/14
- モブレー(Hank Mobley)Blue Note 1568、題名も通称1568というマニアチック。そのオリジナルがついに入荷。
コーティングのビニールも、他のものより心なしかギラギラしているような気がするのは、恐れを抱いているせいかも。 ももちろん値段も半端じゃあない。
このレコードは昔から値段が高かった。やっぱりタマ数がなかったんだろう。なんたってソニークラークのブルーノート初吹き込みだし。
しかし、このレコードの音は何かが違う。 考えて見ると「物性」が違うに違いない。 音にも物性があると仮定すると、強度、硬度、靭性、と、鉄のような表現ではあるが、特性が違う。 さらに、重要なことだが、音の色が違う。
思えばこのレコード、私はこの店を開店する前にお金が必要になって渋谷のジャズレコード屋に委託で売ろうとした。 知合いでもあり、悪くはしないだろうと言う甘えもあった。 それなのに、ハンク・モブレーのブルーノート全部のレコードで20万しかよこさなかったのには、参った。 それはそれとして、こんな良いレコード、売るんじゃなかったと後悔したのであった。 だって、一番だもの。
しかし、モブレイばかりあんまり褒めすぎてもなー。
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| グロテスク | - 2008/06/13
- Nina Simone"At Newport" Colpix CP412
ブルージーで、ソウルフル、抜群のノリとドライブ感。 Singing and Piano Play. Miss Nina... Nina Simone!で始まると、心が踊りだしてしまう。
お客様からレコードを買い取る時、「一緒にこれも持ってって」と言われるジャズの本。店の奥にも沢山ある。 ホコリをかぶって汚れているし少し捨てようと思いながら、読んでしまったら、ついついハマってしまった。仕事中断。
1970年の本だから、当時は皆、言いたい放題。
ある評論家の一文がちょっと気になった。 「ニーナ・シモンの様なグロテスクなオバハンの唄はボクの趣味に合わない」 70年(昭和45年)と言えど、いくらなんでもひどくないか?私の大好きなニーナ・シモンを。 この方は本業が医師で本職の評論家ではないので、まあ仕方ないとしても、何冊も本を書いているし、むしろ評論家として有名な方。 身体的な事でも現在のようにうるさくなく、鷹揚だったからまあ理解はするが。しかし当時だって身体的な事や容貌をとやかく言うのは良くないと、言う人も出てきていたし、唄の事としても、何より医師ともあろう人が書く言葉ではなかろうに。 と40年近くも遡って憤慨。意味ないじゃん。
それよか、この方いったい何が好きかというと、可憐なブロッサム・ディアリー。 カマトト風だと言いながら。ぷっ! しかし、カマトトって今となっては私語か?死後じゃなくて、死語!やっと出た、パソコンは嫌だ。
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| ボサノバ | - 2008/06/12
- ジョアン・ジルベルト(Joao Gilberto)の初期の3部作と言われる「Chega de saudade」「O Amor,」「Joao Gilberto」が一遍に入荷。
59−61年のボサノバ初期の貴重な記録で、今更ながらではあるが、当時の新しい音楽の息吹が聴こえて、感動する。
音楽の自然のサラッとした流れ、明るさ、心地よさ、夏のけだるさ、それでいながらスピード感があって、なんとも言えない。 特にスピード感には感心する。決して演奏スピードが速いのではなくて、聴こえる演奏にスピード感を感じる。 クール・アンド・ホットと言おうか。
そんな明るいボサノバに、暗い歴史があった。 明るい希望に満ちた国ブラジルに、誕生した軍事政権に、反対運動と音楽家が結びついている事などにより、音楽家が迫害を受け、暗黒の時代に突入するのである。
考えて見ると、音楽の迫害は歴史の中で常に繰り返される。 韓国ではついこの間まで日本の音楽が禁止されていたし、日本の戦時中は敵性音楽としてジャズ・ポップスなど禁止された。 当然ドイツでも英米の音楽は禁止された。 とすると、やっぱり英米でもドイツのベートーベンなどの演奏が禁止されたらしい。 どこの国も洗脳作戦はしっかりしているんだな。 お互いに他国を指差す事は出来ないもんだ。ただ戦勝国だけが正義の名の下になんでも言いたい放題であることは間違いない。
終戦で進駐軍が来た。その中の米兵がのちに。 「クラブでジャズを聴いた。戦時中にジャズが禁止されていたと聞いていたが、演奏者は上手く、流行遅れでもなかった。長い間禁止されていたのが不思議だった」と語ったらしい。 短期間で進歩する素晴らしい技術の国なんだな、わが国は。 コソ錬?カゲ錬?きっと内緒でやっていたのかも?
しかし、せっかく梅雨を吹っ飛ばす、明るいボサノバの話が、なんで暗い話になる?
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| Almost Blue - chet | - 2008/06/11
- チェット(Chet Bkaer)のレア盤「Almost Blue」入荷。
このレコード、裏・表とも同一の曲が入っているだけの12インチ・シングル。 映画「Let's Get Lost」のサントラ盤だが、プロモ盤として配られただけで、裏面に「Promo only-Not for sale」 と印刷されている。 髪を直しているジャケットの写真がまたカッコ良い。
思えば評論家に、彼ほど歳を取った頃の演奏を良く書かれなかったミュージシャンも珍しい。あ、もう一人、レスター・ヤング。 それと、ヨーロッパに渡ってしまったミュージシャン。
人間、歳と共に衰えるもの。 当然、芸術、スポーツ、技術、精神みな衰える。それの結果の作品も当然衰えは隠せない。 だから、けなそうと思えば、いくらでもけなせる。 私も若い時、ある有名ジャズ誌のそういう先生方の書いてある事を、真に受けて買わずに聴くのを避けてきた。しばらくして、文章の裏を読み取れなくて、失敗したと思った。
しかし、最近そういう先生方の言葉を聞かないのか、読んでないのか知らないが、全く違う価値観から「生きる」という点において共感を得ているらしく、チェットが人気だ。 「晩年の駄目になったチェットが良いんです。」なんていわれると、オジサン嬉しくなってしまう。 その数多い作品の中では、典型的なコレクターズ・アイテムと言える。
己の人生に振り返ってみると、自慢できるわけではないが、家を守ってきた。残す物がある訳ではないが、取り合えず仕事もしてきた。一生懸命にやってきた訳ではないが、取り合えず懸命に生きてきた。そんなだらしない人生でも、人生は人生だ!苦しみも悲しみもあるんだい! と、小さい声でも叫びたい思いを持っているのである。
そんな私だからこそ。 入れ歯のすき間から、絞り出す声が聴こえてくると、泣けてくる。 人生を生きる事が難しいのか簡単なのか分からないけど。 人生を生きる事って辛いね〜。
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| アメリカ国歌 | - 2008/06/09
- 値段付けの為に、試聴していたら、アメリカの国歌が流れてきてびっくり。
John Lewis "Orchestra U.S.A." Colpix 448 というレコードの最後の曲。 アメリカの国歌は"The Star Spangled Banner"という題名。 このブラスの中に"Eric Dolphy"が入っていると思うと、ちょっと興奮。
アメリカの国歌は、私の世代には日本の国歌の次に馴染みが深い。なぜか。それは東京オリンピックの表彰式の国歌の演奏でいやと言うほど聞かされたからで、翌日には学校で、そのメロディーを歌った記憶さえある。
しかし、オリンピックもあれから40年も経ったのだ。いま思い返しても、あれほど興奮したイベントはかつて無かった。 何たって、日本のすべてがオリンピックに向かって突き進んだのだ。例えば、競技場はじめ新幹線、高速道路、モノレール、など工事が着々と進み、一般家庭でもカラーテレビを買って中継放送に備える。 各地の盆踊りも三波春夫の五輪音頭で盛りあがる。 ウチもこの時、ぎりぎりでやっと買ってもらえた。17インチのカラーテレビ。
入場式の日は学校の授業も半日。早く帰って家で入場式を見た。 気象庁が英知を絞ったこの晴天の日。各国選手団の入場が始まり、天皇の上ずった開会の言葉があり、さらに上ずった選手宣誓があると私の胸も高鳴った。ギリシャを先頭にアフガニスタン、アルジェリア、アルゼンチン...と翌日学校で実況の物まねも披露される。
いよいよ戦いの火蓋は切られた。日本選手は頑張った。柔道のヘーシンクの強さは今も、オランダ人の爺ちゃんにからかわれると悔しい。 毎日アメリカの金メダルと国歌はこれでもかと脳裏に焼きついた。しかし、競技最後の方に女子バレーの東洋の魔女と言われたニチボウの選手の活躍は世界に向かって誇らしい自信をもたらせてくれた。回転レシーブも翌日は学校で実演つき。 円谷はもう走れませんと言わせた彼が、当時は2位で入って、満員の観客の目の前で抜かれて3位になり競技場に悲鳴が響き渡った、その瞬間も翌日は学校で抜かれるシーンを再演するヤツさえ出る始末。
あの、オリンピックをもう一度見たい。 あの興奮を若い子供達に味あわせて上げたい。
冷静に税金の無駄使いなどという人ももう一度、良く考えて欲しい。 貴方はそれでいいけれど、子供達には私のように忘れられない楽しい思い出になることを。 お金の事が理由だったら、次の世代の人達のために、頑張って働いてあげようよ。
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| 昼食 | - 2008/06/07
- 昼によく行くラーメン屋がある。
美味しいが、とにかくスープがコッテリしているので、年配者や女性は、食べられないと言う人もいるくらい。
食べ終わった時、お兄さんに 「こんなこと言っちゃなんですけど...。毎日、食べると身体に悪いすよ」。
食べる前に言え! スープ全部飲んじゃったよ。 急に胸やけがしてきた。塩分も、血圧にも、コレステロールにも、ああ。
後出しはいかんよ。
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