HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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Chick Corea “Return to forever”
2025/12/28

Chick Corea “Return to forever” ECM 1022 (Germany)
今日は気を取り直して、レコード作品の話。
1970年代はジャズを取り巻く状況としては相当、くそ面白くない状況であった。
我々青年はジャズ喫茶でひたすらハードバップは勿論コルトレーンやマイルスなど60年代までのジャズを聴いていたのだが、なぜか一挙にフュージョンという音楽が大衆の前に出てきたり、片や正反対の方向のフリージャズになったり、リスナーも大変だったが、ジャズ音楽家も左右に振れる時代でもあった。
思えば、かつてジャズの雑誌といえばスイングジャーナルであったが、日本においてもジャズ界が徐々にフリージャズに染まっていく事を非常に憂慮した当時の経営者加藤氏は、フリージャズへの対抗策として、臨時増刊号74年「幻の名盤読本」を世に示したのである。
見事なタイミングで、雑誌に背中を押され、勢いに乗って給料やボーナスや会社の出張費などで捻出し、廃盤購入に充てたのである。景気も上向いていた時期でもある。
私などは、そのお陰で今がある。
あの時の情熱が今になっても衰える事なく、かつては己のための蒐集から、今はお客様のための仕入れとなった。
モトエ。

72年東京のジャズ関連の店頭にはReturn to foreverが飾られた。私は購入しなかった、フュージョンだから。買えばよかったのに。いや、お金もなかった。

と、ここまで来たが、なぜか脇道が多いというか、まだ Return to foreverの話に行かないなあ、音楽の話はまた明日になるかなあ。

“Return to forever”コーティング話に.......
2025/12/27

Chick Corea “Return to forever” ECM 1022 (Germany)
久しぶりに家でレコードを聴こうと、このアルバムを引っ張り出すとコーティングが剥がれてボロボロではないか。なんという悲しさ。
ECMのレコードは初期の内は特に、コーティングが下手であって、今やほとんどのオリジナル盤のジャケットカバーのコーティングが剥がれてしまっている。
実に残念である。

さて、1955年頃から始まったアメリカのレコード・ジャケットのコーティング技術は恐るべきもので、その魅力はコレクターになった人なら誰でも感じていることであろう。
私が以前、買い付けでヨーロッパに行き、現地のレコード関係者と話していた時、ヨーロッパ各国ともブルーノートやプレステイジのようなコーティングに憧れ、相当頑張ったという、だが、イタリアのコーティングは皺が寄ってしまったりと、散々な結果であったと、あの米国のように厚い紙にコーティングする技術は真似ができなかった。
仕方なく薄い紙にコーティングを施したのだと。
それなのに70年代に入っていてもECMのように、経年で糊が剥がれてしまうのだ。

ところで、50年代のコーティング技術はコストの問題で、アメリカ音楽産業から放棄されるのである。なんと愚かなことであった事よ。
最近、そっくりにコーティングを施した再発有名レコードを見るが、少しだけ嘆かわしい。
もはや廃盤でのみ、その美しさを鑑賞するのみである。
私も、かつてブルーノートやプレステイジのコーティングされたレコード集めから始まったのである。
可愛いものだったなあ。

ちょっと待てよ!
今日はコーティングの話ではなかった筈が、話が外れてしまった、チック・コレアのRetuen to foreverの話は明日になってしまった。

年末年始の営業について
2025/12/27

12月31日から、1月3日まで、年末年始休暇といたします。

よろしくお願い致します。

クリスマスは早引け
2025/12/25

今日はクリスマスなので7時30分に閉店し、家内と一緒に家で食事をしようとした。
だが、車に乗って道路案内表示を見ると、東名高速、青葉インター付近で5台の玉突き事故、3車線閉鎖となっていた。
2時間以上掛かるとなっていても閉鎖では2時間と言えないだろう。と二人で相談して、甲州街道の調布の先から、読売ランドを超えて帰った。
夜でしかも雨も降っていたので家内のナビがあって助かった。
帰り着いたが、すっかり遅い時間になってしまった。

せっかくのクリスマスの楽しさも半分くらいか。
でも、こんな年末に事故を起こした人も辛いだろうなあ。

クラシックの話
2025/12/25

Arturo Benedetti Michelangeli (アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ)
Beethoven / Galuppi / Scarlatti – The Art Of Arturo Benedetti Michelangeli、
DECCA SXL6181 Stereo
ベートーヴェン(ピアノ・ソナタ第32番,ガルッピ第5番,スカルラッティ3つのソナタ)。

ミケランジェリは20世紀のピアニストの中で最も優れたピアニストの一人である。
さらにその奇行は評判通りで、来日した際も、わがままでキャンセル・変更が当たり前であった。
それが通用するところが偉い。
そんなこともあるのだが、日本人には優しかったということであるが、どういう理由かは不明である。
このアルバムも名盤でGaluppi(ガルッピ)は最高の演奏と言われ、聴くほどに感動するのである。

ところでルーツ探し。当アルバムの録音はイタリアの録音である。
ではイタリア原盤がRICORDIであるはず、とマニアが探したらしいが、結局無かったのである。
私の仲良しが、まさにそれを探りにミラノに飛び、ミラノにあるリコルディ社を訪ねたところ、社員がおり、話を聴かせてくれた。
間違いなく録音はイタリアである。
ところが、本人と友人がテープをあっさりとデッカに売ったものである。
BDMというのはミケランジェリと友人の頭文字を組み合わせたもので、DISCHI RICORDIはここからスタートとしたものであるらしい。
購入金額は不明だが、デッカは良いテープを買ったものである。

リコルディはわれわれジャズ・ファンにも親しみがある。
SERGIO FANNI、ROMANO MUSSOLINI、DINO PIANAなど名盤がごろごろあるので、ついジャズのレーベルかと思いきや、ロックもクラシックも膨大な量を輩出していたのである。
おもしろいね。

リスト更新のお知らせ
2025/12/25

お世話になっております。
本日、十二月二十五日(木)
ホームページの新入荷リストを更新いたしました。

今回、クラシックのレコードが何枚かありますが、英国DECCAのオリジナルもしくは1,2年後のプレスで、近年入手困難なレア盤で、音質は最高です。

何卒よろしくお願い致します。

クリスマスが近いのでクリスマス・レコード
2025/12/22

近くなると何となくクリスマス・ソングが聴きたくなる。
歳を取って色々な歌を聴くようになってからは、年末を楽しみにクリスマス・ソング・アルバムも手当たり次第に買っていたのである。
それで、今日は朝から聴いていたのだが、好きなレコードというと色々あるけれど、定番のBing Crosbyの「White Christmas」は当たり前で第一。
それから「A very special Christmas」というアルバムが好きだ、これはA&Mの87年、有名人多数参加のクリスマス・チャリティ・アルバムであるが、知的障害者のスペシャル・オリンピックスの為のものであった。
A-1.Pointer sistersのSanta Clous is coming to townではサックスのClarence Clemonsがイカス。
A-3 Whitney HoustonのDo you hear what I hear?はメリハリある。
A-4 Bruce SpingsteenのMerry Christmas,BabyはR&Bの名曲をR&B歌手のように歌うのが見事。いい味だなあ。
B-1Run-DMCのChristman in Hollisはラップで超カッコよい。大したものだ。
と、ここまで書き切れない豪華なメンバーで、音楽も素敵。
クリスマス・ソングに留まらないのがカッコ良い。
それから、Devid Bowie & Bing Crosby 共演の「Little drummer boy」の12インチ・シングル盤が大好きだ。二人が部屋の前で出会って「歌を歌うんだって?」などと会話を交わしながら、二人が合唱をする、デビット・ボウイがピース・オン・アースをビング・クロスビーがリトル・ドラマー・ボーイを歌って併せるという見事な出来栄え、しかも、この録音の数か月後にビング・クロスビーが亡くなるという事もあり、更にボウイも今はいない。
往年の大歌手とロックスターを思うと、クリスマスだなあと思う。

私はかつて欧米に買い付けに行った時は、このようなアルバムを探すのも出張の一つの目的であった。以前は貯めておいてシーズンに店内で紹介していたが、今は昔。
我が家の為に傷盤が残っているだけである。

松原みき “真夜中のドア”
2025/12/18

松原みき “真夜中のドア” キャニオンーSEESAW W−17 (EP)

これは素晴らしいシティ・ポップである。
小気味の良いリズムの、洗練された曲調のシティ・ポップの代表曲でもある。
なにしろ、シティ・ポップは新宿のジャズの店から流行になった、言われているから。新宿のジャズの店というのは当店の事である。
今から10年近く前になろうか「YOUは何しに日本へ」という番組でアメリカの青年がシティ・ポップのレコードを買いに来て、どこへ行っても見つからず、通り掛かりの当店の外の「レコード」という看板を頼りにやってきた。
それが、なぜか当店で次々とシティ・ポップのレコードが見つかったのである。
それが高視聴率の番組であったためか、店には問い合わせが沢山あって驚いた。
なぜ当店にシティ・ポップのレコードがあったかというと、ジャズ以外は売る気がなかったので、ただ在庫の下の方に置きっぱなしになっていたのである。
しかし多数問い合わせは頂いたものの、残念ながら当店はジャズの店であって、ポップのレコードは順調に入荷することも無く、せっかくの来店にもこたえられずに今に至る。
国内の音楽を扱う店だったら、さぞかし有名になったであろう。

しかし以来、私はハードオフや中古レコード店を歩いては、シティ・ポップのレコードをちょこちょこ購入していて、お陰様で、番組で有名になった大貫妙子、竹内マリア、松原みきのEPなどせっせと買い求めている。
大貫妙子は当店の看板的アルバム故に大事なコレクションになったし、松原みきのEPは私のお気に入りになった。

Stay with me ♪ 真夜中のドアをたたいて....
良いねえ!
個人的な話ではあるが縁とは不思議なものなり。

新入荷リスト
2025/12/15

お世話になっております。
十二月十五日(月)にホームページのリストを更新いたしました。

よろしくお願い致します。

JOHN WINDHURST “JAZZ AT COLUMBUS AVE.”
2025/12/13

JOHN WINDHURST “JAZZ AT COLUMBUS AVE.” TRANSITION TRLP J2

私は、ジャズのアルバムの中でジャケットが優秀だと思う一枚である。
ジャケット人気といっても、大概は音楽内容に左右された結果であることは言うまでもない。従って、内容とか人気とか音楽に全く関係なく、ジャケットの人気投票したらトップクラスではないかと思う。
何しろモダンジャズでないので、大きなハンデがある。
今回の入荷は、綺麗なだけでなく、ラベル、当時のブックレットなど完璧な状態であった。
こんなものが入荷したのは10年ぶりである。

ちょっとだけ、アルバムの話、1955年トム・ウイルソンはフォーク、ジャズなどアメリカの音楽に特価するとトランジション・レーベルを創立、以後15枚リリースした。
Herb Pomeroy – Jazz In A Stableが一枚目になる。そして当アルバムが2枚目となる。
1956年4月22日の夜10時ころ、ジョン・ウインドハーストが来た知らせを受け、騒ぎになり関係者はみな集合し、そのままセッションとなったのだが、せっかくだから録音もという話が進み、急遽、録音機材を搬入し、深夜0時から午前9時まで完全即興でレコーディングセッションとしたものである。
演奏の中でメンフィス・ブルースは最高だったと誰かが言った。
ジョンのトランペットは終始最高の演奏していたし、ピアノのBud Blocklockは最高のラグタイムピアノを演奏していた。
写真は、みんながバス亭に集まっていて、ベースを肩に掛けた人、立ってたばこをくわえた人、なんとはなしに皆の視線が我々見る人の方に集まっている、左端には帽子をかぶりステッキを持った紳士、古いボストンの街、停車中の50年代の車、こんな写真は見れば見るほど泣けてくる。

英字のライナーに、ジャズを聴くならコンロンバス・アベニューが最高だと。
思わず、うなずく!
ジャズのジャケットって本当に良いですね!

(売れてしまいました)

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