HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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PATTY McGOVERN
2011/11/20

PATTY McGOVERN-THOMAS TALBERT “WEDNESDAY’S CHILD” ATLANTIC 1245

今日もまたレア盤が一枚やって来た。嬉しくて朝からニヤニヤしてしまう。

彼女もまた、たった一枚だけの幻の名盤ヴォーカリストである。
たった一枚のレコードが製作後50年も経ってから大人気。元々マニア間においては人気盤だったがジャケットをほめた某評論家のお蔭で一挙に人気が広がった。評論家のページ一枚で売れ行きが左右されるから、評論家は気を付けてね。
今更でなく当時に書いてくれ、と言われても、それは無理なので仕方ない。
そんなに高値で取引されているのなら、私にも1割でも送金して、と本人から言われそうな気もしないでもない。
彼女は才能があった人らしく、ヴォーカルグループに長くいて歌の評価も高かっただけでなく、、この作品の中においても、2曲も彼女自身が歌を作っている。
大した歌手だった。

さて、このジャケットは確かに素敵である。
美人が束ねた髪をコンクリートの壁に無造作に押し付けて、上目使いで前方をキリッと見据えた視線。引き締まった口元に赤い口紅。ウエストの辺りで結んだコットンの楚々とした淡いブルーのワンピースも彼女のしっかりした心持ちを表しているようで、実に良い。
ビルの間の奥の方から歩いてきたと思われるスーツ姿の男性。ロングなボタンダウンのシャツにやや細いネクタイ、当時のワッションも素敵だ。ポケットに手を突っ込んで、彼女に何か言いたげに立ち止まったか、または歩みをわざとゆっくりしたかのどちらかである。しかし無視した彼女は視線を動かさない。
ジャケット写真の色合いが、50年代当時のアメリカの色が出ていて、逆光で撮った所がドラマチックで余計に映画のワンシーンのようだ。

これはどこかで見た光景だと、昨日から考えていたら思い出した。
映画「第三の男」の最初と最後のシーンだった。あれは確か女が歩いて来て、男が車のドアに寄りかかって女を見つめているシーンだった。
ラストのシーンはわざわざ飛行機に乗らないで現場に戻った男に目もくれないで、女は真っ直ぐな眼差しを彼方に向けたまま、観客に向かって歩いて去って行く映像だったと思う。それを見ながら私は、振り向いてやれよ、ニコッとでもしてやれよ、と心の中で叫んだものだ。

うーん、昔は良かった。

LYNN TAYLOR
2011/11/19

LYNN TAYLOR “I SEE YOUR FACE BEFORE ME” GRAND AWARD GA33-367

ジャズヴォーカルのナイス・アルバム。
会話の時よく「ほら、油絵のような上半身の可愛い子のジャケット」で理解できるのが、これ。
ジャケットを見ているだけで幸せになれる。
幸せついでに盤も聴けば、部屋中に彼女のゾクゾクする歌声が右から左から、かと思うと、上から下から音楽の神様の使いの声が流れると、身体中に己の感情が揺れて動く、豊かさ、幸せ、寂しさ、悲しみ、哀愁が次々と心に満ちる。不幸な私にも至福の時が流れる。

輪郭がはっきりした録音なのか、とても聴きやすいサウンドも長所になっている。

さて、彼女名義のジャズヴォーカル作品はこれ一枚で、無名扱いの歌手の部類に入る。
所が私や、私たちの当時の世代の中には彼女を知っている人が多いはず。
それは「WALK RIGHT IN」というフォークソングがビルボードで1位になる大ヒットで、日本でもその後、かなりの回数ラジオでも聴く事が出来たから。
何と言ったグループだったか忘れていたので、せっせとYOUTUBEを探したら出て来た。動画もついでに出て来たので、お顔も拝める。
こちらを見ているととてもジャズヴォーカルを目指していたとも思えないほど、フォークの歌手で、いかに見事なテクニックを持っていたか分かる。なんでもこなすのだろう。

彼女は元来ジャズの方に望みを持っていたらしいが、あまり芳しい売れ行きで無かった事もあり、またこのフォークグループの共演者などに注目された事で、ジャンルを変えた、それが大成功につながったらしい。今更であるが個人的には惜しい気がしないでもないが、私が過去にケチをつけてもどうしようもない。

「彼女は可愛くて、キュートで、温かみがあって、きらめく瞳を持っていて、新鮮でそれでいてフレンドリーな表情で、誰にでも愛される顔とそして魅力的な声である」というような感想をライナーノーツが言っている。大体ライナーなどゴマスリ記事が多いものだがこれだけは本当かも!

私は可愛い子に甘いんだ。

昨日もネズミ君
2011/11/18

ビルの裏に、昨夜も鼠がいた。
良く見ると本当に可愛いものだ。

ビル陰に 見つめ合いしは ネズミと我

ニュースで
2011/11/17

巨人チーム内のゴタゴタで、日テレ以外のTV局が盛り上がった。
せっかくのプロ野球の千秋楽・日本シリーズの真っ最中に、よくも内輪の話で騒げるものだと呆れた。

この反乱ニュースの中で、サラリーマンにインタビューのシーンがあった。
「貴方なら上司に反乱を起こすことが出来ますか?」という質問内容。
立派な中年に差し掛かろうという働き盛りばかり。
ところが皆一様に、
家族を守るために出来ません。
家庭のために出来ません。
将来を考えて出来ません。

いつから日本の男たちは駄目になったのだろう?
男たるもの、いつでも会社など辞めて、家族などいくらでも食わせてやるぞ、ぐらいの気構えが無くてどうする。

そんな事だから、結局家族の中で父親の舐められるようになったんだな。
心が弱い。
「そんな夫に守って欲しくないだろ、貴方のカミさんも」と一人で怒った。

知らない人に怒ってもな。

歩るく
2011/11/16

今朝もあたりを歩き散らかして来た。

朝の新宿の街は、朝まで飲んでいて外に出てきたキャバクラのお姉さんの顔の
ようで、とても朝見る物ではないが、それはそれ、人がダイナミックに動いている躍動感いっぱいな街。
それなりにいろいろある。

自然に囲まれた海や山の散歩はもちろん良いのだけれど、都会の街の散歩も人が生きている息が聞こえていそうで、結構これはこれで面白い。

しかし、小便の臭いやら何やら汚いもんだな。

MY FAIR LADY
2011/11/15

SHELLY MANNE AND HIS FRIENDS "MY FAIR LADY" CONTEMPORARY C3527

どこが?って聞かれると困るが、実は大好きな一枚。
昔はフリージャズを聴き疲れたら、その合間に時々聴いていた。心が安らぐ一枚。

ライナーによると次のレコードの発売に当たってアイディアを練っていた所、プロデューサーのコーニング氏が今流行っているブロードウェイ・ミュージカルの音楽はどうだ?と言い出したので、シェリーマンもプレビンも感心して、そうだとなった。トリオで演ることになり、ベースにはヴィネガーを持って来た。何しろトリオ形式における第三のヴォイスとして彼のサウンドが必要だったと。
決まれば何しろクラシック界における重鎮のプレヴィンと、これまたウエストコースト随一のジャズメンのマンの事、あっという間にアレンジも仕上げてしまった。芸術家という物はそういうモノ、決まれば仕事は早い。
もちろんレコーディングは当然ロイ・デュナンが担当しただけの事はある。中域がすっとでて、締った低域がズンと出て、聴く人の腹が据わる。
音楽と聴く人の気持ちにぴったり嵌ったサウンドがここにある。

出来上がったレコードはジャズ史上、トップクラスの販売になり、ジャズレコードの成功例になって、以後ミュージカルに題材にもらった作品も続出した。ウエストサイド・ストーリー等がある。

このレコード確かに最高のトリオとはだれも言わない。べた誉めしている記事にも出会った事はない。だが、ネットで検索して見ると、この作品について多くの人がブログにも書いている事は、やはりヒットしたのだなと納得する。
売れるという事はそういう事なのである。誉めようがケナそうが、話題に上がったら勝ち組。

本当に最高とは言わないが、エンタータイメントとしてのピアノトリオの出来の良さは認めざるを得ない。冴えたる腕のピアノの音色は見事で粋である。
すっと出たり、さっと引いたりの緩急自在な演奏者の愛情がいっぱい詰まったジャズがここにある。
ヴィネガーの散歩しているかのようなベースラインは、聴く私と共に歩いてくれるの気がする。

各種名盤と共に、一緒に棚に収めて置くと何故か安心できる一枚である。
30年も聴いていると、聴く度に人生の過去の出来事が色々思い出す。
「君住む街角(A−2)」も良いなあ。

今回、当店に入荷したレコードの裏ジャケに赤い枠があるのが嬉しい。

PINKY WINTERS - PINKY
2011/11/11

PINKY WINTERS "PINKY" VANTAGE RECORD VLP-3 10INCH (USA)

珍しい10インチ盤が入荷。
54年のピアノ・トリオをバックにしたボーカル作品。
ピンキーというタイトルがまず素敵。我々の世代は「ピンキーとキラーズ」をそして今陽子の雄姿を連想してしまうが、それはいけない。

しかし、このジャケットは本当に可愛い。
防音壁に囲まれたスタジオで録音中の事、マイクの向こう側でちょっとだけ右に寄ったので、顔が僅かに見えた。
その写真が魅惑的である。良く見るとしっかりした顔つきで、一生懸命に歌ったひた向きさが伝わってくる所に、また惹かれる。
「How about you?」と聴こえて来る様な気がする。

ジャケットの中央に白抜きの筆記体風に、白いペンキで書きなぐった感じの
「PINKY」という文字がいかにもアメリカ風で素敵である。ピンキーという言葉の響きもいけない。
我々アメリカ被れというかアメリカ・コンプレックス世代には、勝てないという気持ちにさせてくれるジャケットである。
良く見ているとピンク色が浮かんで来そうで、ジャケット・デザインの勝利とも言える出来の良さ。

もちろん歌は文句なく。今聴くと現代のリスナーの好みにぴったり収まる歌手で、さらっとして、スイング感があって、ハスキーで、可愛いくてしかも良く通る声の持ち主、これだけ魅力的な歌い手だった事が良く分かる。
幻の名盤クラスの歌手の中ではトップ・クラスである。

全盛時にたった2枚だけだった事が悔やまれる。
当時の旦那がもっと稼いでくれたらどんなに良かったか...。
そういう問題ではない。

DON CHERRY - BROWN RICE
2011/11/10

DON CHERRY "BROWN RICE" EMI 3C 064-18107 ITALY

さて昔から私の愛聴盤でもある。

75年、彼の音楽も相当洗練されて来ていた時期の作品。
でも相変わらず、作品造りは家族総出の、家内制手工業そのものというか、オーガニックの精神は保っていた。
ジャケットは奥様のMoquiが作った刺繍の作品である。演奏も家族が含まれているのだが、Rickyと言うのが子供かどうか私には判らない。当時6・7歳のEagle-Eyeだとも思えない。またNenehは女だから違う、とするとリッキーってだれだ? 判らぬ詮索は止めて先を急ごう。

ジャケットには、やはりORGANIC MUSICと刺繍があるので、なるほどど頷く。
色々と刺繍で書かれているが、私には何語か判らないので残念ながら判読不明。
残念。
ただ、手に持った水晶玉に鶴と思われる神々しい姿が現されているのが、なんとも嬉しい限りである。

さて、一曲目から絶好調のドン・チェリーである。
ボンゴ、ベース、ドラムとオーガニックかつ斬新な縦乗りのリズムの上に、爽やかなのコーラスとささやきのヴォイスが流れると、ドン・チェリーのトランペットが闇をつんざく。
摩訶不思議なサウンドこそこのレコードの真骨頂である。
数分間、宗教の儀式の中に放り込まれたかのように、ひとりでに体は動く。
聴く人皆身体が動く。
動き方は人生の中に蓄積された踊りの要素がそのまま動かし方に出る。
動かし方はいか様でも躍った人は皆救われる。

次の曲からは心静かに聴く。
曲の流れに山はあれど静寂さはあり。
騒音の中にこそ静寂はあり。
静寂から騒音は生まれ出でるものなり。

最後の曲DEGI−DEGIも激しいリズムの中に、ドン・チェリーのトランペットがわが心の静寂を切り裂く努力をすれど、もはやわが心動かぬ。
やがて、身体はもう一踊りし、再び落ち着きを取戻しレコードは終わる。
気を入れられたような心地よさだけが残る。
あれ、宗教のようだったな。

新宿は怖い所
2011/11/09

仕事が終わって10時半過ぎ。
駅の方に歩いていると、ビルの陰で怖いお兄さん方が円陣を作っていて、リーダーらしき更に怖そうな人が、タバコを持ったその指で今日の売り上げを一人づつ指して、報告させている。
一瞬運動部を連想させるが、全く異質で怖いシーンだ。

その横で、客を取った取らぬで喧嘩をしている客引きの若いアンちゃん。
もっとやれやれとけしかける俄か観客。

その合間を縫って、転々を横たわったり、這いつくばっている、酔っぱらった若者の男女数名。
これも何が悲しくてそこまで飲まなければならぬ事情があったのであろうか?
余程、忘れたいせっぱつまった事情でもあったのか、いやはや昼の新宿と違って、夜の新宿は地獄のような恐ろしい世界。
えつ!昔から?


不思議な事に
2011/11/08

昨日、JACK MILLMANの事を書いた所、本日、何故かDJ須永辰緒さん本人が登場。
それもちょうどこのレコードを飾ろうと思っていた所。
一年ぶりくらいだったので本当に驚いた。

人の偶然ってのは本当に不思議だ。

昨日の日記の「BLOWING UP A STORM」のレコードの、あの時の話をしてもう一度盛り上がってしまった。
「気に入って、今でもDJの日にはカバンに入れてますよ」と仰って頂いた。
嬉しい限りである。

せっかく来られたと、レコード数枚試聴している最中。
ちょうどそこにお客様から電話で、もう一枚の「SHADES OF THINGS TO COME」LIBERTY LJH6007 の取り置きの話があった。
そのレコードを見て、「あ、私も欲しかったのに」。
私「えー」。
従業員が「大丈夫です。もう一枚ありますから」と自分用のを一枚出すことに。

こんな珍しい人のレコードが、同時に入荷し、とんとんと同時に行き先が決まってしまっても物が一枚しか無いので、どうしようと思っていると、社員が持っていたとは、いや、不思議。

こんな事もあるんだ。
人と人の「気」というか、寄せ合うというか、商売をやっていて本当に不思議に思えることが多々あって面白くて、仕事が止められない。

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