HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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ROLAND KIRK “THIRD DIMENSION”
2012/11/29

ROLAND KIRK “THIRD DIMENSION” BETHLEHEM BCP6064

これもまた良いレコードだ。
コレクターなら持っていたいアルバムである、コレクションに重みが増す。と言ってもこのアルバムはもちろんセカンド・プレスで、最初はKINGから発売された。キングと言ってももちろん日本のキングではない、シンシナティにある「ヒルビリー」で有名な、JAMES BROWN、やJOE TEXなどでさらに名を売った、カントリー臭い黒っぽいレーベルである。素晴しい。
発売したものの、あまり評判が芳しくなかったと思える。今もごく少数しかお目に掛からないのはそのせいである。
私も長い人生で見たのは数回、売ったのは一度切りである。残念ながら4000枚のコレクションの私も遂に棚に入る事は無かった痛恨の一枚である。
それが2回目に発売されたのが、こちらのベツレヘム盤である。
なんだ、セカンド・プレスかとがっかりする必要はない。これもまた超レア盤である。発売されたものの、それもまた受けなかったのであろう。そのまま現在に至り、今もあまり見る事もないし、綺麗な物は出会わない。

以前は、日本の評論家に、サン・ラと並んで奇人だのゲテモノだのと軽くあしらわれたジャズメンだが、その後、時代も進み生活も豊かになり、ジャズも文化も余裕を以て楽しむ事が出来る人々が現れ、遂に人気急上昇の最大のジャズメンとなったのであるが、評論家の耳をアマチュアが超えた輝かしい時の到来であった。
そうなると、初録音のこのレコードが欲しくなるのであるが、アルバム発掘現場において、もっとも難関となったアルバムのファースト及びセカンドなのである。
取りあえずセカンドの方からでもチャレンジして頂きたい。

さてこの作品。
ジャケットにバリッとしたスーツを着たものの、サングラスを掛け、いきなりサックスと、サックスらしいがちょっとサックスとは異なる「マンゼロ」という楽器を同時に3本も咥えた奇天烈なスタイルで登場する。
いやはや、これはどういうサウンドかと信じがたい思いで聴きこんだのであるが、サウンドは倍音の積み重ねの連続で、歳を追うごとに激しさも増し、あれよあれよと、聴きこむ内にすっかり魅了されすべて買い込む事に相成ったわけである。
そしてその音楽の心は。
音楽の心は、いたって優しさが滲み出ている。
荒んだ私の心に情けが沁みた。
演歌のようになってしまった。イカン

日本の評論家に奇人と書かれた事こそ、リスナーの目を引き、耳を傾けさせ、ファンが生まれた要因であった。
注目を浴びる事こそが、芸には大切である。
その後、彼を追随するマルチリード・プレイヤーも沢山生まれている。
良い時代になった。

烏賊
2012/11/28

昼に行こうと路地を歩いていると、向こうから来た配達のお兄さんが持っている箱の横に書いてある文字を目で追ってしまった。

「FROZEN IKA」と書かれている。

フローズン・アイクじゃねーな。
フローズン・アイカ?
知らねーな。
と考えていて、気が付いた
フローズン・イカ.....冷凍イカの事か。

なるほど。

しかし、私も最近閃きが悪くなった。

選挙
2012/11/27

衆議院選挙。
今回は党首という方がテレビに出ても、顔を知らない人が沢山いる。
名前も知らない。
こんな事は初めてだ。
数えたら15も党がある。
小さい所は、小さい同士くっ付いてやるらしい。
それはそうだな。

知っている顔もあるが、昔いた自民党に頭を下げて戻った方が良さそうな人もいる。
おまけに市長だ知事だと、各地方でせっかく選ばれていたにも関わらず、途中で仕事を投げ出した人達もいる、市長が党首という所もいくつかあるらしい。そんな事で地元の信用が得られるのかな?
みんな大丈夫?

しかし、どうやって投票したらいいのか?

ペット
2012/11/25

夜、帰ってから何気にテレビを付けたらNHKで可愛い何とかいう、女の子の番組をやっている。
犬の話をしていたようで、若い子が司会の男と話をしている。
「あたし犬、大好きなんですよ」。
「私も好きですよ」
「あ、そうなんですか、何の種類ですか」
「チワワ」
「わあ」

オジサン最近引っかかる。
犬や猫の話になると、何の種類?
という話に必ずなる。

散歩していて、飼い主同士のあいさつでも何犬ですか、と聞かれると。
雑種の概念が消え失せている。
必ず何かの種類でないと、歩いちゃいけないのか?
なんだか、引っ掛かる。
ペットに雑種を認めていない。
ならば雑種は何処に行くのか?

思うのだが、これって買い物の結果だよね。
これは、日本中がブランド化した事の象徴ではなかろうか。

DJANGO REIHARDT
2012/11/24

DJANGO REIHARDT “THE GREAT ARTISTRY OF DJANGO” CLEF MGC-516 (USA) 10INCH

私の好きなアルバム。今でも家で時々聴く。
好きな曲はB面の「BRAZIL」「SEPTEMBER SONG 」と思っているのだが、A面の「NIGHT AND DAY」「BLUES FOR IKE」も良いなあ、と考えてしまい、B面だけでなくA面もやっぱり聴いてしまう。
何だかんだと言いながら大体、一度ターンテーブルに乗せるとひっくり返して、ひっくり返して3回は聴きてしまう。
何がそれほど気に入っているかと言うと、思い入れが一番である。

ジャンゴのレコードは昔、ボックスセットが出た。
12枚だったか20枚だったかレーベルも忘れたが、その時の説明によると、世界で最も完全なコンプリート盤、コンプリートだから完全なのは当たり前だったのだが、そこまで膨大なコレクションンは一度に聴く事はうんざりするばかりだったので、放って置いた。
おまけにそれはSP音源ばかりで、なんだか古臭い音で、当時の若造にはクソ面白くない代物だった。

それから何十年、ある時、知り合いにこんなのがあるけど要らないか?と見せられたのがこれ。
彼の説明を詳しく再現すると。
「ジャンゴの録音はすべてSPしかないと思われている。たしかに彼の人生は1953年で幕を閉じているので、ほとんどがSPである。しかし、彼はたった一枚だけLPレコードを作ったのだ。それも人生最後のレコードがLP録音だった」と。
彼の話は、普段大好きなジャズの話をする相手がいないせいか、ジャズの話の時は堰を切ったようになるので、落着いて解説をすると。
ジャンゴが亡くなったのは53年の5月。
このアルバムが作られたのが53年の3月。
ジャンゴの人生における最後の録音であり、かつ人生における最初で最後のLP盤の発売だったのである。
うん、彼でなくともこの話は興奮する。
あの偉大なフランスのいや世界のジャズ・ギタリストの大変な貴重盤なのである。

それも当時の若手のMaurice Vander や Pierre Michelotとのカルテットである。

この盤は、フランスではBARCLAYレーベルでも出された。ジャケットはどちらもDavid Stone Martinのこのデザインである。どちらがオリジナルかより、ちょっと音質が異なるのでどちらも興味深い。

アンプ
2012/11/23

親戚のおばさんから、しばらく前に電話が掛かって来て、アンプが邪魔だから捨てても良いかと。
音が良くないから使う気が無いので、不要だと。
邪魔なら捨てて下さいと返事をしておいた。
それから2週刊ほどして電話が来て、「捨てましたからご承知を」と。
大きなものが片附いて良かったと言っていた。

ネットのオークションで売れば結構のお金が入ったのにと、私が言うと、自分で要らない物を他人様に売るのも嫌だと。
不要になったから「ごみ」だと割り切っているのは、随分と太っ腹だ。

アンプと言うのは、中古でも結構の価格だったアキュフェーズの古いパワーアンプ。大きくて大変重い。
音が神経質で好みでは無かったので、興味がなく型番は忘れた。
その内に使うかも知れないと思って預けて置いたものだ。
店のアンプが故障した時に、ピンチヒッタ−として使った事が2・3回あるが、あまり評価は良くなかったから、まあいいか。
音質が神経質なのはどうも気に入らない。
私はやっぱり大らかでないと。
まあ、いいかくらいが一番。

BILL ENGLISH
2012/11/21

BILL ENGLISH “BILL ENGLISH” VANGUARD VRS-9127 (USA)

久しぶりに良いレコードが入荷した。
おまけに綺麗だと私はつくづく幸せ者だと思わずにはいられない。
サラリーマン時代でもレコードを探していて、有無を言わせぬ一枚とはこういう物で、購入に躊躇などない。
試聴など不要であった。
このレコードは、かつての74年に出版された「幻の名盤読本」にも掲載されていなかった。
またジャズ喫茶でも聴いた事がなかった。
それでも、私が最初にこのジャケットを見た時は、買うべきレコードだと瞬時に閃いたから、やっぱり私に取って、輝きを放っている作品だったのだと思った。こういうレコードは家に持って帰って聴いてもやっぱり良い。
私の直感ではない。
レコード自体が人に直感的に感じかける、何かを持っている作品なのだ。

趣味の良さそうなチェックのスーツに、僅かに白いシャツのエリが覘いている、口の髭がこの男のおしゃれのセンスを醸し出す。思わずもっと沢山写真があるかと、ひっくり返して裏ジャケを探したが、残念ながら写真は掲載されていなかった。振り返って表の写真に戻る。
モノクロ写真でドラムセットの前にタバコを洒落た手つきで指に挟んで、休憩している姿は、なんとも粋である。こういうお洒落な人は演奏もきっとそうなのだろう。
VANGUARDレコードという中間派のレーベルなのに、なんとも粋なモダンジャズがジャケットから聴こえてきそうな雰囲気が良い。

演奏は抜群で、特にB面に惹かれる。
B-1の7th AVE.BILL は作曲が「Bill English and C.B.」となっていて、トランペットのDAVE BURNSがフィーチャーされており、哀愁ある音色はクリフォードブラウンを連想させられ、このCBって彼の事かと想像してしまった。

2曲目の「A BLUES SERENADE」はSELDON POWELLのムーディーさと、DAVE BURNSの哀愁がマッチした、私好みのバラードで嬉しくなってしまう。

3曲目の「Sel’s TUNE」はSELDON POWELLの曲で、クールさの漂う、上出来なハードバップである。
これは本当に嬉しい。このメンバーでこんなナイスはハードバップが聴けるとは大満足である。
メンバーがメンバーだけに上品さが失われていない所が素晴らしい。

ラストの曲はSELDON POWELL のフルートで〆る。
そこにDAVE POWELLが絡んで中間派の印象が見え隠れすると、こんなジャズを聴いて私は何と幸せ者だと、また思ってしまうのである。
全編を通して彼は、的確で落着いて、皆を支えて、静かにひっぱって行く良いドラミングである。
そうそう、ピアノのLLOYD MAYERSも淡々として趣味の良さが滲み出ている。やっぱりボーカルの伴奏を長くやっている人だけに趣味が良い。
そういう趣味の良い人達が集まって作った、趣味の良い音楽である。

長い間ジャズを聴いて来て結局は、暖房の効いた部屋で、こういう音楽を聴きたくなったのだった。

出張
2012/11/20

従業員が買付で出張に行っている。
私は一人で何やかんやと忙しい。
そんな年齢になって、昔の会社の同僚たちはほとんど引退してしまった。
まだ働いているのは私だけ。

早く引退して家で遊んで暮らしたいと思うのだが、引退して仕事が無いのは、やっぱり嫌だ。
何たって私は仕事が好きだから。

働けるという事は本当に幸せだ。
家にいなくて良いし。

レコード洗浄の事
2012/11/19

最近、レコード洗浄について真剣に考えられるようになった最も大きな理由として、作られた物の中にはすでに60年も経ってしまった物があるという事である。

私もコレクターだったが、当初はそれほど真剣にならなくても良かった。
年数もあまり経っていなかったせいで、軽く拭くだけでも簡単に汚れが落ちたし、汚れてしまったレコードまで手を出さくても、まだ入手の可能性はあった。
しかし、1950年代当時のレコードに汚れが付いてしまったものは、時代も遠のき、簡単には落ちにくくなるほどの年数が経ってしまった、という事である。
高額の盤なら真剣にならざるを得ない。

付着した指紋がいくらやっても取れないので、顕微鏡でみた所、その部分がビニールを凹ませてしまっていた、という話も伺った。
指についた塩素が盤を腐食してしまったのである。触っても解らない程度コンマ1ミリ以下かも知れないが、わずかに腐食が進んでいるのである。
どう考えても真剣に洗浄せざるを得ない。

貴重盤を長く保存するためには、どうしても盤に優しい方法で洗浄をし、保存したいのである。
ジャケットもしかりで、必要以上にビニール・テープなど使用する事なく、カビの予防もし、自然な感じを保ちたいものである。
購入の際に、状態に神経質な方のレコードを買い取ったらカビだらけという事も多々ある。高温多湿な日本では古い物の保存には、注意を払っていくしかない。

これも時代のせいなのである。

レコードの洗浄について
2012/11/18

今日は真面目に、レコードの洗浄について
レコードの洗浄について、10年前の頃のような、やれA液だB液だという話や、超音波が凄いという話も聞かなくなった。その一方で洗浄方法がそれで良いのかという疑問も聞かれて、人それぞれに悩んでいるようだ。
私もA液の洗剤と思われる泡の出方、それを必ずB液でふき取れという使用方法とあの布には、どうも疑問視している。超音波の機械も実験した人もいて、レコード盤にアルミホイルを張り付けて掛けたところ、周波数の28ミリごとにホイルが破壊されていた。それではやっぱりあまり良くないのではないかと思った人もいる。かといってレコードの面も破壊されているかというと、そうでも無く、仕様説明書には「5秒/1周のみ」で洗えと書かれているのはそのためであろう。なるほど方法としてはアリなので、いけないとは言うつもりはない。
言わないが、個人的に神経質なので心配はある。高い廃盤を安易には出来ない。

つい先日お客様が、洗浄したあとの水の拭き取りにカー用品の人工セームクロスを使用した所、非常に良かったという話があった。その場にいた人達も納得されていて、私もこれは推奨できると思った。
洗浄方法に色々あれど、まずは盤に水を残さない事が肝心である。
水道水はレコード洗浄に適さないと良く言われることで、それは含まれるカルキが悪さをすると言われている通りである。という事から安全な水という事で、精製水や人工水を使用している。
それが本当に正しいのかと、個人的にも疑問があった。疑い深いので。

ちょうどそんな時、洗浄・メッキどの専門家だという方と知り合ったので早速訪ねてみた。メッキの基本は洗浄である。塩素でも残ってはいけない、これが出来るなら、ある意味レコードの洗浄など朝飯前という事になる。おまけに彼らの仕事でゴシゴシ洗うなど聞いた事もない。

まず水だが、カルキすなわち塩素から逃れられない。手で持っただけで手の平から汗線や付着した塩素が出ているので、どうしてもレコードには塩素が付く。したがって水を変える事より、扱う方法を変えた方が賢明である。
要は洗ったあとの水の拭き取りが重要で、完全に取り除けば水道水でも問題はないということであった。
拭き取れば顕微鏡で確認しても問題は無かった、それは最初にカー用品が良かったと言った人のいう通りであった。私もレコード用に売られている布はどうも吸水性が良くないと考えていたが、最初のお客様のアイディア通りカー用品の人工セームクロスが一番。ただカー用品売り場のクロスも種類はある。吸水性は抜群だが硬くて傷になりやすいもの、吸水性はまずまずで傷がつきにくいもの、色々あるがレコードは車と違って水の量が多くないので、取りあえず人工セームクロスでやってみたい。車の塗装面は少しでも水分が残ると汚れが再付着する、それを思い起こしながらやると良いかもしれない。
これでほとんどのレコードは綺麗になるはず。

さて、長年の汚れがこびり付いてしまった場合。
以前、どうしようもないポップスのEPを通販で購入した話を書いた。超音波で洗浄しても音に変化は無かった。
それでこの方に洗浄を依頼してみた。
それが2枚の写真

1. 現状での溝の状況について、顕微鏡写真を見て頂きたい、まづ@溝の底部に削れたビニールカスが付着、A溝側面が変形してコブ状になっており、平滑さが失われている、B溝上部(表面に近い部分)に剥離が発生している、といった状況で、かなりのダメージを受けている。
おそらく摩耗した針を使用し、針圧が不適切できちんと溝をトレースされなかったために、このような状況に陥ったものと思われる
2.洗浄後に関しては、ある程度の削れカスは除去されてた。削れたビニールのカスも取れたが、実験なので再度参上はしなかったので、今回は、盤と繋がってしまったものまでは除去できなかった。

洗浄後、洗浄したまま放置すると、界面活性剤による帯電防止が不十分なため、冬場の乾燥時期にホコリが再付着してしまうため、NAGAOKAのSTAT-BANという帯電防止剤を塗布したが、観察した限り残留物は認められないので、悪影響はほとんど無いものと考えられる。
という事である。2枚の写真は同じ個所の写真で、まだ完全ではないといいながら洗浄効果の程が伺える。
底部の白い線は、磨滅した針が底を痛めた結果である。

因みに、音質のチェックも私と洗浄した本人と行ったが、実験前はノイズが音より大きく先に出ていたものが、洗浄後はノイズが音楽の音の後ろに引っ込んだ感じで、軽減した事を確認した。
洗浄方法はいたって簡単で洗剤に5%の浸透剤を加え、洗剤が隙間に入り込み易くして、軽く洗っただけである。ゴシゴシしない、コスらないのがミソである。
レコードの汚れとは、付着した油や埃や砂などの汚れと、剥がれ落ちたビニールが再付着したものと2種類ある事が判った。なので浸透剤があった方が良い事も判った。
浸透剤については1%でも行けそうだが、まだ実験中である。

この方法は非常に良いと思っているが、洗浄は水道水を使用するので、ラベルを「絶対に濡らさない事」と「完璧な水の拭き取り」2点につきる。
これさえ守れば実に簡単である。
今は、ラベルを保護する器具をネットでも売られているらしい。
レコード用の帯電防止剤も洗浄の後、さらっと塗布して乾燥すれば効果が期待できる。

今回の方法は、我々もまだ実験段階なので、完全に推奨するわけではないが、興味ある方は傷の多い不要なレコードからやって見て、結果を教えて欲しい。

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