| 路地 | - 2013/11/16
- 若い頃はよく山へ行った。
いつも山道を歩いている時、もしこのまま道を外れて歩いて行くと一体どういう場所に出るのだろうかと思った。 熊、鹿など獣に遭遇するか、また行き倒れてそのまま死ぬのかと。 考えると楽しそうでワクワクした。
都会にいるとその代わりと言っては何だが、それは路地という事になる。 いったいその奥はどうなっているのか、道が鉤になっているだろうか、突き当りになるのだろうか、どういう場所に行きつくのかと私の心は弾む。 ひょっとして途中で大きな犬が飛び掛かって来るのか、猫が塀の上で寝て居るのか、はたまた怖い隠居が出て来て怒鳴られるのか、それとも洗濯物をパンパンと音を立て広げて干している綺麗な若奥様が会釈をしてくれるのか? オイオイ、今はそんな綺麗な若奥様が居るはずはない。 妄想は止めて。
昔、遠くへ行きたい、という番組があって、いつも通っている道でも、知らない角を曲がったらそれは旅、というようなナレーションだったが、角を曲がっただけでは駄目で、なぜなら広い道はや先が見えるような道は風情が違うし、先が見えたら何にもならない。 先が見えないからこそ旅で、冒険。 そういう意味では路地は神秘的で良いなあ。 路地の突き当りが、東京の本質なのかもしれない。
いづれにせよ、東京における生活の場という意味に於いて、路地と言う場所は、実に魅力的である。 路地こそ東京。 侘しい話になってしまった。
枯葉と猫 伴に走るや 路地の先 裏通り 路地へと積る 枯葉かな
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