| CANNONBALL ADDERLEY “IN NEW YORK” | - 2014/03/22
- CANNONBALL ADDERLEY “IN NEW YORK” RIVERSIDE RLP404 (USA)
今回入荷の作品、タイトルが「IN NEW YORK」。 我々のジャズ思考回路の弱いところ、JAZZ=NEW YORK、ここをズバッと来た。 ここからはジャケの説明は不要になった。 大変嬉しい事に番号が、盤・ジャケット双方ともRLP−404となっており、深ミゾ部分も太ミゾ゙。太いミゾって、コレクターにしかわからない話。
さて、キャノンボール・アダレイはカタカナも書きにくいが、英語のタイプ打ちでも重なる文字がいくつもあり面倒。 しかしその面倒にもめげず、あえて紹介したいと思わせてくれるだけの事がある出来の良い作品なのである。 当店のお客様の中にベテラン・コレクターは多い、故にキャノンボールはもう沢山だと皆さんおっしゃる。 その通り、作品の数も多いし、もう沢山なのかもしれない。 昔の評論家の先生方の言う通り、軽く巧いだけの只の人なのか。 しかし、私はあえてこの作品をもう一度聴いて頂きたいと願う。
人間どんな高尚な事を語ろうと、そこはそれ人間であるからして、くつろぎも必要であり、上品さから解放されたい時もある。 外見の人格と心の人格は異なるものなり、と言われる通りである。 といって、キャノンボールが下品などという話には行かない。 なぜなら彼こそ絶妙なる、品と知性を保ったエンターテイナーであるのだから。
この作品1962年1月、有名なクラブVILLAGE VANGUARDでのライブである。 メンバー紹介をしよう。本人が言った風に、あくまで想像だけど。 My brother Nat,Nat Adderley on cornet. Yusef, Yusef Lateef on tenorsaxophone, oboe, and flute. Joe Zawinulon on Piano. Sam Jones on bass. and drummer Louis Hayes. Thank you. そう、ユセフ・ラティーフのサックスとジョーザヴィヌル(ピアノ)の参加が素晴らしい。 良いバンドには良いメンバーが集まる。 それは人間のつるみの法則の通りである。 音楽の都ウィーン出身のザヴィヌルは、3週間であの有名なバークレイ音楽院に別れを告げた実力。 61年から当バンドに参加し、演奏だけでなく曲も提供し、私の大好きなMERCY,MERCY,MERCYの大ヒットを飛ばす活躍を残し、その後のマイルス・バンドのエレクトリックの一時代をも築き、その後はウェザー・リポート結成と、当時の日の当たる場所を歩き続けた才能の人。 そういうメンバーがいるだけで音楽は違ってくる。 そういう良い時の芸術とエンターテイメントの絶妙な味わいが、ニューヨークという都会の意地悪な観客にも受けた、あらゆる意味での水準の高さがある。
演奏を聴こう。 長いイントロデューシングがある。 サン・フランシスコのライブがどうだこうだと言い、ジミー・ヒースの曲「ジェミナイ」で始まる「GEMINI」。 私などはジェミニと発音するのだが、無駄話は置いといて。 抜群のノリとタメ、そうだ、これをスイング感と言うのだった。 しかし、ジミー・ヒースという人の作曲の能力も又、日本では余り語られる事がないが見事な曲をつくったものである。 このGEMINIから次のラ・ティーフ作曲の「PLANET EARTH」にかけてのA面の演奏の楽しさ、アグレッシブな強さ、美しいメロディ、狂いのないサウンド、そしてジャズはこうでなくてはならいという「ノリ」の巧さは、格別なものがある。 何より音楽家として、「聴かせる」事の重要性を解っている。 卓越したテクニックを持っていながらオレは芸術家だと、気取っていない。 また落とし過ぎる事もない。
今、演奏家自身が他人に「聴かせる事」という重要性を、いったいどのくらい理解・実践しているか? そう思い聴く耳を立てた時、この作品がいかに凄いレベルにあるか理解していただけよう。
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