HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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最近のMT車
2015/02/21

また車の話だが。
どこか忘れたが新車の広告をネットで探していて、ふと目が留まった。
それはマニュアル車(MT)の販売についての注釈。
坂道で、ブレーキから足を離しても2秒間ブレーキをホールドします、と。

あれま〜、これは驚いた。
とすると、坂道発進の苦手の人も、問題無く、少しも下がる事なく発進する事が可能になったと。
すごい。

それで、最近BMWの320スポーツを購入した人がいるので、ちょっと乗ってみた。
新宿にも結構な坂があるので、そこで試して見ると、あらまホント。
下がる事なくスーッと発進。

今まで、苦労して練習してきた人が怒るで!
いや正直、私は時々坂道でエンストするのよ。
かといって別に恥ずかしくないので、もう一度エンジン掛けて発進するだけの事だけど。

スポーツカーに乗りたかったオジサマ方、いかがでしょうか?
奥様を横に乗せて鮮やかにMT車を操っては。
楽しいはず!

ある買取で
2015/02/20

先日、レコードの買取があった。
全て手放して、奥様と一緒に故郷に戻るのだそうだ。
受取りに伺うと、道が分からないといけないからと、寒い中わざわざマンションの入口で待っていて下さった。

レコードはかなりの量で車は一杯になった。
精算が終わるまで、私は針のむしろに座った気分でご飯も喉に通らないが、ビールはイケる。
精算が終わり、彼からメールが来た。

その一部を断りなく、掲載と。
「他は愛聴盤が意外と安かったり、逆に日本盤が高かったりと、いろいろですね。
何はともあれ、中学生のころに初めて買ったベニーグッドマン・ベスト盤に始まり今日まで、いい演奏、いい盤、いいお店に出会えたジャズレコード歴30数年間でした。
思い出の新宿Hal'sレコードに引き取っていただき、私の責任は果たせたものと思います。
新たな所有者に擦り切れるほど聴いていただけることを願ってや みません。」

読んでいて、泣けてきた。
こういう30年間も続けてきた趣味を一度に整理するのは、辛いだろう。
私は、そういう彼の心の籠ったコレクションをクールにお金に換算する。
それがお客様の心に報いることであると、悟っている。
せめて一枚一枚査定をする事くらいだ。
ジャケのビニールを剥がし、傷の具合を見ながら、彼の当時のレコード屋めぐりが伝わってくる。
これだけはオリジナルの綺麗なものを頑張ったから、余程好きだったんだなあ。
このレコードがある、ここのフレーズ、私も大好きだよ。
好きだから同じものをモノ、ステレオ、日本盤などと3枚も4枚も入手したんだ。
結構、古いジャズが好きなんだね。
長い年数をかけて、1集から3集まで揃えたんだね、偉いね。
あなたが大好きなレコードだね、でも傷があるから高くは出来ないんだよ。
などと、独り言をいいながら朝9時から深夜まで、一緒に仕事をしている気分だ。

そういうお客様の心の裏を、覗いたり想像したりするのが、オイラの楽しみ。
持ち主の心を乗せて、次の人に渡してオイラの仕事は完成さ。

しんみりとして座り込んでいたら、もう10時半だ、帰ろう。

男はつらい
2015/02/19

かかりつけの病院の先生が、クラシックのあるCDを探している。
その欲しいのが全部レコードで見つかった。
メールで、「先生、この際レコードプレイヤーをお買いになりませんか?」、
すると
「私は欲しいのですが、奥さんに訊かないといけません」
しばらく待っていると返事が来て、「お許しが出ませんでした」

男はつらいな。
僅か50センチ四方の場所さえ認めてもらえないとは。
でも、私は知っている、奥さんにレコード鑑賞を公認してもらっている方は誰もいない事を。
いや.一人は知っているが、彼は奥さんに多額の小遣いを上げているのだ、早い話がワイロありき。

こうして男は強くなるんだ。

BILL EVANS “WALTZ FOR DEBBY”
2015/02/18

BILL EVANS “WALTZ FOR DEBBY” RIVERSIDE 399   (USA)

久々に入荷。
それもWALTZ FOR DEBBY が3枚とMILESTONEの米国盤。
関連盤が4枚も揃ったので、ちょっと気になっていた聴き比べ。
丁度そこにオーディオ・ファブさんが修理で来店、では一緒に試聴となった。
今日は音の話になりそうだ。
彼もまた、詳しくてレコード・マニアでもあり一通り試しているから、二人で喧々諤々。

まずオリジナルと言われている綺麗なモノラル盤、番号はジャケ・盤共に「RLP399」。
ジャケット。周囲は重めの黒で中のシルエットは若干青とピンクが混ざったシックな色合いで、良い!
ジャケ写はよく、裏ジャケも整っていて、全体のバランスが良く風格を感じる。
音質は強さもあり丸みもある良い感じ。
綺麗な盤だが、例によって時々チリ音が入る。昔はこんな事は誰も言わなかったのに、今の人たちは神経質だな。
これはどのレコードもそうであり、故に、皆さんステレオ盤やヨーロッパ盤も入手して聴き比べをすることになる原因でもあり、まあ仕方の無い事である。

次に「RM399」。綺麗である。
現在は研究が進み、一応、2回目のプレスとされている。
ジャケットはRLPと比較するとピンク色がほんの少し出てくる。これはこれで素敵!
裏ジャケの上の左側にRS9399、右側にRLP399と、どちらにもステレオ、モノラルのどちらにも対応できるようになっていてアメリカ社会の合理化精神を感じさせる。
盤はオリジナル同様、青色の大ラベルと呼ばれるもので、深ミゾもしっかり付いていて、盤の重量も遜色はない。
それで、音色はオリジナルと変わりはない。
こちらは、演奏が静かな分、チリ音全く無い訳ではないが、RLP盤よりずっと静かで、これはこれで人気な事が良く分かった。
なかなか良い。
両方欲しいという人が多いのも頷ける。

次にステレオの「RS9399」。若干使用感があるのは仕方がない。
ジャケットは上部にSTEREOと表示され、裏ジャケは先程のRMと同様である。
しかし、ジャケットの色合いは、更にピンク色が僅かではあるが若干濃くなっているのが判る。
順番に濃くなるのだ。
音質は、最近の噂通り、シャキッと感が出ている。
中々良いサウンド造りである。
欠点は良く言われる左右の音が離れてしまう、いわゆる中抜けというところはある。まあ、これは当事者のテクニックでどうにでもできる事であるので、あまり問題ではない。

ところで、最近のオーディオマニアが、ステレオの音の方が高音質だと言われるのであるが、それはステレオ盤の方が音圧が高いだけの事であって、モノラルの音量を一メモリまたはその2/3ほど大きくすれば、それで別にどっちがどっちという程の問題では無いと考える。
モノラルの方が柔らかさがあって、あの時代の音を表現していて、私は好きだ。
CDの音に馴れた方はステレオの方に軍配を上げるのは当然の成り行きであろう。
ヨーロッパ盤がちょうど置いてなかったので、比較対象が無くて残念だったが、オディオファブさんが、
「これが良いんだよ」とちょうどあったMILESTONE盤の2枚組を取り上げた。
これは当然後発物のVILLAGE VANGUARDのライブをまとめたものであるが、言われて聴くと、ステレオの音像が真ん中に寄っていて、ステレオ感が自然で良い。
彼の話によると、このドイツ盤が又良い音なのだそうだ。
色々あったが、どれも長所があり、これさえあればどれも要らないと言える事は無かった。

しかし、一同に集めて試聴検討しないとはっきりと言えないものだ。
ちょっどマニアもいて良かったが、ここぞというところに来ると譲らないからな。
よく仲たがいしないものだ。
人生色々、レコードも色々。


CAROL KIDD “ALL MY TOMORROWS”
2015/02/17

CAROL KIDD “ALL MY TOMORROWS” ALOI RECORDS AKH005 (UK)

このアルバムはALOIレーベルから発売されていたのだが、その後はレコード・プレヤーのメーカーとし有名なLINNから発売され結構な枚数がリリースされた。

出張でヨーロッパに行った時に時々見かけるので買って来て、私しか知らないマイ・ブームだと思って悦に入っていた。
また、彼女のLINNから出されているアルバムもどれも出来が良くて結構、わたしのお気に入り。

このアルバムは彼女のセカンド・アルバムになるはずだが、このアルバムのB面の冒頭の「WHEN I DREAM」という曲が抜群。
彼女の年齢を重ねてからの作品で、そういう経験値がボーカルには生きてくるというか、なんとも言えない風情がある。
しっとりした、聴く人の心に響く良い歌である。
それで、ある時、ネットでこの曲・アルバムがどのくらい知名度が高いか探したところ、なんと韓国の人ばかりが褒めている書込みが沢山見つかった。
それでよく見ると、あちらの国の映画の主題歌になったのだという事実が分かった。
故に、あちらの国において、大ヒットとなったアルバムなのだと。
しかし、日本人と好みが合うのかな?
ここ2・3年はヨーロッパ・イギリスでも余り見なくなったと思ったら、廃盤はほとんどが、あちらの国に行ってしまっていたのかな。
また、ヒットすれば当然の事ながら、レコード会社が放っておくはずはなく、曲名をCDタイトルにしたアルバムもあるようだ。

それで、オジサンはガッカリしてこんな曲は二度と聴くもんかと思ったものの、考え直して見れば、そのような子供じみたと言うか、右翼っぽい考えでも仕方ないので、自然体で行くことにした。
結局、いまでも結構好きな一枚である。
良い物は良い。

「WHEN I DREAM」の詩も良い。
But when I dream,    私が夢を見る時って
I dream of you,     かならずあなたの夢をみるの
Maybe someday      きっといつか、本当に来てくれるわよね
You will come true    
と、他愛もない普通の詩であるが、彼女が歌うと、エライ立派な詩に聴こえる。

それを、自然な感じでさらっと歌っていくのが良い。
このアルバムは最初にも書いたが、LINNからもLP・CDと沢山出ているので、聴こうと思えば入手は簡単。
ターンテーブルのメーカーだけあって、音質も良いし、楽しめるボーカルである。

こういう唄は、ジャズ歌手の多くがみんな唄っていそうで、その辺にいっぱいありそうだ、だがしかし、探すと実は無い。

いもなっとう
2015/02/16

埼玉の知合いの所に行った帰り、関越を走っていると、カーナビが「三芳SAがあります、休みませんか」と誘われトイレ休憩。
最近のカーナビは良くしゃべるな、ホント。
アクセルの踏み方までお説教するし。

店内をブラブラしていると、売店のオバサンと目が合ってしまい、にっこり微笑まれていらっしゃいと吸い込まれてしまった。
それで購入したのがこれ。
いもなっとうだが、漢字で芋納糖と書かれている。
皮は取り除かれていて、ありゃ、芋を放棄かと思う程、見た目はまるで栗のような上品さ。
袋に印刷された社名を見ると「右門」と言うらしい。
なかなか美味しい、いもなっとうであった。
しっかりしてしかも硬すぎず柔らか過ぎず、さつまいもの甘みに砂糖の甘みがたっぷり乗って中々の逸品。
くりより美味いじゅうさんり、というが如し。美味しかった。
次回も通ったらまた買おう。
解っていたら行きに買ってお土産に出来たのにと、ちょっと悔やんだ。

ところで、いもなっとうと言えば昔は銀座の「あけぼの」という店で作られていて、これが皮が残っていて、素朴な様子に心も和む美味しさだったが、いつの間にか店頭から消えた。
きっと社内の派閥争いで負けたのだなと勝手に予想した。
小豆派と芋派が...。脱線を戻して、モトエ。
大好きな芋菓子だっただけに非常に残念で、時々店の前を通ると今でも、無いと解っていてもついつい目で探してしまう。

それに匹敵する、いや、ちょっと雰囲気は異なるが、これは立派な「いもなっとう」であった。
おじさん、一つだけ、もう一つ、もうちょっと、もうちょっとだけと、あっと言う間に一袋食べてしまった。
夕食前だというのに。イカン

以前の続きで、もうひとつポルシェ。
2015/02/15

その次のポルシェは、これもまた964であった。
好きだねオレも964が。
これはトンデモナイ車だった。
前のオーナーは私の友人だったのだが、本格的にレース参戦のため964の安いのを購入。
それにチュ−ニングを施した。
250馬力しかないエンジンはそのまま特徴を生かすことにし手を入れないで、徹底的に軽量化を施した。
250馬力では今時どうしようもなく、軽くするしか方法はない。
彼はちょっとお金があったらしく、私のようにFRP(プラスチック)では無くカーボンを奢った。
屋根など鉄板を切り取り、特注カーボンで作り変えるという手の込みよう。
勿論ボンネットもそう。
サスペンションは、メーカー名は忘れたが当時世界一と言われたサーキットのコースによって硬さを調整できるようなものであったが、残念ながら私は使いこなせなかった。
椅子、内貼り、エアコン、等々剥がせるモノはすべて取り去っていて、スパルタンな一台。
マフラーもどこぞの一流品という触れ込みの大きな音である。
もちろんウイング、ロールケージはセットである。

一度、ビルの駐車場から出していると、そこにサラリーマン数人が来て、私が出している所を遠巻きにしながら「こんなクルマ一体だれが乗るんだろう」と吐き捨てるように言っていたのが、耳に残っている。
たしかに、鉄の柵を跨いで乗る車など一体誰が乗ってくれるのか、とよく考えると結論は出る。

マニアに良くある話で、奥さんにナイショで仕上げたチュ−ニング費用は500万だったと。
だが妻が知らない訳がない。
CIAより旦那の情報は持っているのだ、大概。

それが、ある日夫婦喧嘩があって奥様の逆鱗に触れた。
遂に彼女から「車か私か」と迫られ、「愛」を取った友人は遂に手放す事を決意、買ってくれないかと電話が私宛てに掛かって来て、チューニング費用は不要だから、どうかと。
悪いなあと思ったが、二つ返事で購入したのである。
通常チューニング費用は修理屋の金庫には入っても、中古車売買価格には入れない物なのだ。

そういう車なので、夏は暑く車内は灼熱地獄、東京の夏は暑いし。
冬は寒く、鉄板むき出しの車内は冷え切って、なんだか外より寒く感じクラッチを操作する足がツッてしまう。
これはいかんともしがたく、どうしようかなと思っている時、若者が欲しそうだったので、「良いでしょう、良いでしょう」と押しつけたのである。
勿論、通常の中古車としてのみの価値で。
だが、面白かったので、お金さえあれば持っていたかった。
金さえあれば!
クルマは金が掛かる。
ホント。

ART ENSEMBLE OF CHICAGO “CHI-CONGO”
2015/02/14

ART ENSEMBLE OF CHICAGO “CHI-CONGO” 東芝EMI OP-88010 (JAPAN)

私の好きなART ENSEMBLE OF CHICAGOのレコード。
日本盤だけれども、妙に気になっていたので入荷をきっかけに書く事にした。
この人たちのは、演奏がみな良いから聴いてね、という話ではなくて...

このアルバムの原盤はCARSONという事になっている。
CARSONと聴いて、あれっと思った方は相当のフリージャズ・マニアいや病気だと思って差し支えない。
何故なら、ARCHIE SHEPPのDOODLINという日本盤と同じようなケースだなと。
その通りシェップの方もCARSONでは発売がなくて、アメリカのINNNERCITYだと言われていたのだが、実は日本のOVERSEASの方が早かった。
それから、こちらのシカゴのチコンゴはCARSONの番号が3678となっているのだが、私は見たことがない。
それで、DECCAのフランス盤がオリジナルで良いとされていた。
そして、この日本盤が単なる再発と。

だが、よく考えてみると、DECCAと東芝は同時ではなかったのかと。
こういうレコードのテープは、当時ディーラーというか代理人が活躍というか暗躍していて、テープをレコード各社に売り歩いていた。
そういう典型的なアルバムではなかろうかと思える。
このテープはフランスのデッカと東芝に、シェップのテープは米インナーシティーと日本のオバーシーズに売ったのではないかと思える。

従って、日本盤でもオリジナルと考えても、あながち間違いでもないと思うのである。
シェップの方は間違いなく数年日本が早い。
こちらは1年フランスが早い事になっているようだが、日本の発売が72年か73年かはっきりしないので、場合によっては、どっちがどっちという事である。
まあ、デッカだから東芝に来たと考えてもよいのだが。

ところで、この日本盤は通常流通しているフランス盤とジャケットが異なる。
暗闇の中に浮かび上がった彼らの姿は元気、かつアフリカの呪いが一緒くたになっていて、好きだ。
こちらの方がまとまっていて素敵だと私は思う。

東芝の赤盤というところも良い。
それに意外に珍しいのだ。

SHIRLEY HORN “TRAVELIN’ LIGHT”
2015/02/13

SHIRLEY HORN “TRAVELIN’ LIGHT” ABC-PARAMOUNT ABCS-538 (USA)

久しぶりにカットの無いアルバム入荷。
カットとはカット・アウトの事である。
かつてアメリカでも、レコードを作れば企業にとってそれは資産で税の対象になる。
それを売れなくてずっと抱えていると、毎年税金を支払う事になってしまうので、どこかでエイヤッっと破棄することになる。
日本の場合は物品税という高額な税があったので、売れ残ったビニールは溶かしてしまう事になったらしいのだが、アメリカの場合はジャケットなどに切込を入れたりドリルで穴を開けたりして、商品価値を無くした。
その価値の無くなったレコードは学生などお金がないが芸術など必要な人達の為の低価格商品となっていたし、またディーラーという仲買人がいて、二束三文の価格で大量に買われて行った。
それが日本などにも沢山輸出され、我々が若かった頃、安いレコードとして有り難く入手できたのである。
そのカット・アウトの方法が色々あって、まず電動鋸で端っこの▼部分をバサっと切落す方法で、これは我々もちょっとガッカリしたものだ。
もう少しマシなのは鋸でちょっと切れ目を入れたり、ドリルで端っこに穴を開けたりする。
ドリルでも凄いのは、ジャケットのど真ん中にビニールと一緒にドサっと穴を開けてしまう事もあり、レコードによってはジャケット写真が美人なのに顔に穴があって、これもがっかりする事がある。
穴と言っても、無神経な大きな穴もあれば、申し訳程度に小さく目立たない場所に開けてあるものある。
きっと担当者のセンスが良かったか、親切な人だったかもしれないね、などと話し合ったものだ。
カットといってもサンプル盤にもカット・アウトがあって、その時は裏ジャケだけに穴を開けてあったり、穴をハトメで止めてあったりするので、良心を感じながら鑑賞する事になる。

今回せっかく穴の開いていないレコードが入荷したのに、何でカットアウトの話になってしまうのだろう、オレは。
モトエ、

それで、このレコード。
まずジャケットが良い、それは空港のジャケットだから。
白いコートを着た彼女が洒落た赤いカバンに囲まれて空港に座っている。
カバンが沢山有るので数えてみると6個、今はそんなに飛行機に積めないのだが、かつては結構許された。その話も置いといて。
右の大きなカバンにはABC・PARAMOUNTの焼き印のように見せているのも巧い。
ハンドバックだけはコートと同じ白い色で、お洒落な気の使いようが嬉しい。
きっと撮影のために建物の外で撮ったのだろう。
遠くに飛行機の尾翼が見える。
その奥に少しだけ見えるのはアメリカン・エアラインズらしい。
目立たないが、良く見ると振り返った右手には煙草が挟まれている。
煙草ジャケと空港ジャケの両方の雰囲気を持っている作品が悪いはずがない。
これから旅に行くのよ、と彼女が誘ってくれて、歌が始まる、おっと彼女は歌手では無いと言っているんだっけ、でもこんな素敵なジャズの歌手はいない。
まず冒頭の「Travelin’ light」など旅の郷愁がたっぷり。
次は「Sunday in NewYork」「Big city」とニューヨークをエンジョイするのよと教えてくれる。
こうして、旅に出て淋しさや我が家を想いシックになったりしながら、歌を聴くという仕組みであろう。
ちょっとハスキーで、ブルースが上手いのに、とても洗練されているのもイカス。
最後のビートルズの「And I love her」が出て来るのも60年代の特徴で、彼女の歌は良い味である。
彼女のピアノのムードにも酔ってあっという間に一枚聴いてしまうのだ。

基本的に彼女の弾き語りのピアノ・トリオであるが、曲により邪魔にならない程度にビックバンドが入ったり、JOE NEWMAN, JEROME RICHARDSON, KENNY BURRELLなどが顔を出す。
リラックスして聴いても、本当に良いアルバムである。
こういう歌手って意外にいないものだ。
彼女は本当にジャズだなあ。
うん。

TOMMY WHITTLE “THE TOMMY WHITTLE QUARTET”
2015/02/12

TOMMY WHITTLE “THE TOMMY WHITTLE QUARTET” HIS MASTER VOICE 7EG8325 EP盤 (ENGLAND)

7インチ盤(EP)の入荷。
トミー・ウイッテル(TOMMY WHITTLE)の作品はどれもレアで、珍品揃いで、しかも英国のちょうど50年代頃のモダン・ジャズの良い時期の良い演奏が聴く事が出来る。
それらのレーベルもTEMPO、ESQUIRE、HIS MASTER VOICEなど、今となっては入手困難なレア度の高い会社ばかり。
ひと頃、某店がイギリスのブルーノートと持ち上げて値を吊り上げてTEMPOレーベルのレコードもあらかた行き渡ったか、値もこなれて来た感があるのだが、この人のだけは一際珍しさが際立つ。
ESQUIREの10インチ盤やEPもあまり出て来なくなった。
当然、今回の物もなかなかお目にかかる事がない。

ジャケットは彼がサックスを咥えている写真を斜め後ろからのショットである。
髪の毛のちょっとひさしが立っているのが当時のカッコよいスタイルである。
中々良い。
裏ジャケには,EPながらちゃんとライナーもある。
日本やアメリカのEPの違いで、EPとは言わず、7インチというところの演奏もしっかり長尺なのである。
そういうヨーロッパ・レコード文化なのである。
ライナーによると、テッド・ヒース楽団を皮切りにBBCでの仕事などこなし自分のバンドを持つまでになり、アメリカのジャズメンが来た際には、相手を勤めたとなっている。

このアルバムは57年の良い時期の演奏で、メンバーもエディ・トンプソン(EDDIE THOMPSON)の参加も見逃せない。
「Day by day」「Laura」など彼の演奏のなかでも味わい深さは一際目立つ。

しかし、昔は廃盤屋でもこんなEPは見た事も無かった。
今は情報が多いと言うのか、流通が進んだというか、珍しい物がどんどん巷に出てくる。
そういう世の中なのか。

珍しいという言葉が無くなってしまいそうだ。

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