HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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あるディーラーの死
2015/12/01

先日、電話でイギリスの友人のレコードディーラーが亡くなったと知らせがあった。
私と大体同じような年齢だった。
前から身体が悪いと言っていたが、こんなに早く亡くなるとは思わなかった。

そういえば、私が買付にヨーロッパに行き出して、徐々に知り合いが増え仕入のルートを築いたのだが、商売で動いているディーラーと言えど、それは人、馬が合う合わないがあって、どうしても固まってしまう。
そういう私が築いた仲間が、年齢層も高かった事はあるにしてもここ数年の間に一人づつ減った。
スエーデンは2人、イギリスも2人、オランダ、と大きな仕入先でもあり、親しかった人達ばかりが亡くなってしまった。
それも皆70代以下の、日本ではまだまだという人達。

ここの所、私は買付に行けていないので、しばらく会っていなかった。
一度は、旅行に行って知合いに会っておきたいと思っていたのに、また会いたい人が減った。
やり切れない思いだ。
しかし、知合いが減って行くのは淋しい。

あちらの人の寿命は短いとつくづく思う。
そうではなくて、日本人が長生きし過ぎなのだ。

TORBEN HERTZ “SOUL SEXTET”
2015/11/30

TORBEN HERTZ “SOUL SEXTET” CSA RECORDS CEP104 (DENMARK)

今回の入荷はEP、いや 7(セブン)インチ盤。
演奏者はトルベン・ハーツというデンマーク産。
あまり聴く事がないミュージシャンだが、近年まで音楽は続けていたようだ。
このEPもまた、あまりお目にかかる事がない。

ジャケットを見れば、只の二つ折り、シンプルである。
真ん中にあるのは多分地球なのであろう。
その地球のあちこちから手が伸びている。
白い手、黒い手、或いは足も飛び出している。
地球の表面は良く見ると顔がびっしりと書かれている。
まあ、言ってみれば曼荼羅である。
中々のアイディア。
そして、手足に絡む様にTORBEN HERTZ と SOUL SEXTETの文字がある。
それも、手作感いっぱいの絵柄。
マニアが好みそうなジャケットである。

その7インチ盤、当店ではずうっと気にしていた。
それは、ある日来店したイタリアの有名DJのニコラ・コンテさんが、「ナイス・ミュージック」と奨めてくれたから。
演奏は68年。

それで、改めて聴いてみると。
なるほど! 本人がピアノあるいはオルガンを弾いた3管編成の良い演奏である。
その一曲がまた素晴らしくクラブ・ライクで、いやチキチキとシンバルが入らないのに出来が良い、むしろ普通にジャズとして良い感じの曲なのだ。
その一曲は「Blues for Odin」という。
この曲だけピアノを弾いている。
隣国のステファン・アベリーンの演奏のような感じもある、「モダン・デニッシュ・ジャズ」と言えば好きな人は解る。
良い演奏だ。


(私の予想を超えて、何件も反響がありまして、売れてしまいました。)

スクープ
2015/11/29

私が会社に入って3年目頃だから、ずいぶん昔の事になる。

ある日、朝日新聞に「○○会社、売春ツアーの実態」とウチの会社が実名入りでどかんと大見出し。
出社すると社内でも大騒ぎ。
もちろん世間でも、海外旅行に行き、おんな遊びをするという事は遊びとして週刊誌ネタにはなったのだが、大手マスコミで大っぴらに扱われた事が無かったので、かなりインパクト。

その情報を流したヤツはだれだという話になった所、私の後輩の海外旅行部の2年目の社員2人。
一人はサヨク運動をやっていた。
それが朝日新聞の女性問題ばかりを扱っているらしい女性記者に、べらべらとある事ない事、しゃべってしまったのだ。
2人の話によると、人の紹介で話を聞きたいと記者が会社に尋ねてきた。
それで、和やかな雰囲気で笑い話もある会話の中で、先方も面白がっているので、つい喋ったと。
まあ引っ掛かったのだが、そんな話は記者に喋ってしまうという事の、良し悪しは中学生でもわかる話であるから、むしろ、これを機会に自らぶちまけたという方が正しい。
それで新聞では深刻な問題として、日本男性の遊びの実態を暴くと言う、一大スクープ。
記者はいきなり出世コースに乗ったのではなかろうかという雰囲気が伝わって来る詳しさ。

社内では、そのニュース関連であちこちからの電話の応対などがあった。
部長などピリピリしていた。

いちおう解説をして置くと、実はお隣の国などでは、昭和40年代まで国策として観光公社を設置し盛んに日本に観光客の誘致に来ており、その食事や宴会の流れでの遊びを奨励していたのだ。従って陰で違法行為をしている訳ではない。
当時、諸国は一様にそうして外貨を稼いでいたのだ。

ところで、その情報を流した本人達。
退職するのかと思って見ていたが、一向にその気配もない。
一応部長に呼ばれて、話の聞き取りはあったのだが、そのままに置かれた。
会社には大変な損害を与えたのだが、実はこれが面倒な事で、社会的に悪い事をした訳ではなくむしろ正義を貫いたという意味合いの方が強い。
それで、会社としてはどうしても辞めろとは言えない。
本来会社としてはアジアの旅行を扱っているうちに、ベテランを育て、語学堪能の社員を増やし、海外旅行のスペシャリストの多い旅行会社を目指していたのだが、この事で一遍に企業イメージがダウン。
相当、苦労をした。

私は、この二人はその内に辞めるだろうなあと思っていたのだが、そのままになった。
二人はのうのうと会社に居続けた。
それどころではなくて、その内にそれなりの出世コースに乗ったのだから世の中は解らない。

ROLLING STONES “THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST”
2015/11/28

ROLLING STONES “THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST” DECCA TXS 103 (GREAT BRITAIN)

ストーンズの英国オリジナル・アルバム。
今回ここに掲載した理由は他でもなく、それは綺麗だから。
もちろん、盤も綺麗、内袋も完備。

何しろ、ジャケットも使用感がなく綺麗であり、何より角がビシッとしている。
という逸品なので、お客様が壁からジャケットを取る時に、力任せに引っ張る方がいてその度に、角や底に傷が付きやしないかと私はドキドキしている。

心配なので、早く、買って下さい。
という話。

BASSO-VALBAMBRINI “THE BEST MODERN JAZZ IN ITALY 1962”
2015/11/27

BASSO-VALBAMBRINI SESTETTO “THE BEST MODERN JAZZ IN ITALY 1962”
RCA-VICTOR PML 10326 (ITALY)

久しぶりの入荷である。
いつだったか店の過去の記録を調べてみたら、2009年が最後だった。
それまでは2年に一枚ほどの確率で入荷があったが、最近はもう入手困難になった。
以前はイタリアに行くと、マニアがこんなのがあるけどどうだと声を掛けられたものだが、最近は物が無いらしい。

BASSO-VALDAMBRINIすなわちジャンニ・バッソとオスカー・バルダンブリーニの双頭コンボはイタリアの優秀かつ有名ジャズメンを擁し、同国のモダン・ジャズ・シーンにおいて50年代後半から活躍し、次々と正にイタリアン・テイストのアルバムを出していた。
わが国でもかつてはマニアがひっそりと集めていたのだが、クラブ・ジャズ・ブームの到来と共にあっという間に、火が付いて価格は高騰した。
それもそのはず、縦ノリというリスム感覚が正に現代の若者に一致したのだから、不思議なものである。
私も店を開いて、初めて縦ノリという言葉を聞いた。
DJだか、DJもどきの若者に教えて貰ったのだ。
「おじさん、サンバのレコードない?」
「知らないね。サンバってさ、例えば・・・・・」
と言おうとする私の声を遮って、
「オジサン、てんとう虫のサンバ、じゃないよ、ジャズだからね」
「・・・・・」
というところである。
それが徐々に若者のいう所の、クラブ・ジャズとか、ジャズ・ボッサなどという単語の意味するところのジャズのノリが理解出来ると、もうイタリアのジャズやサントラは、クラブ・ライクの音楽の宝庫。
それでイタリアのDJのパオロ・スコッティ等と仲良くなれたのだ。
思えば楽しい経験だった。

ところで、バッソ・バルダンブリーニの傑作は沢山あって、どれがどれと言いにくい。
しかし、共通しているのは、縦ノリといわれる、言ってみれば西海岸の白人ジャズのような軽妙さにある。
スタスタという感じでノリが小気味良い。
我々が好きな黒人ジャズのリズムは、クラブ若者には、それに対して「横ノリ」と言われ、音符長さ目いっぱいの「長さの音」が出ていると言うことであろう。
疲れ切った現代人には、イタリアだけでなく欧州の白人ジャズがクラブ・シーンで受けたのも理解できる。

で、このアルバム、ジャケットは空港においてアリタリ航空の飛行機に向かってメンバーが歩いて行くところである。テレビのGメン75のようだ。例えが古すぎるか?
ところで右下に貨物の台車にみんなで乗っている写真がある、その撮影時のカットであろう、きっとデレクターはどっちの写真を使おうかと迷ったにちがいない。
まあ、荷物の写真ではまるで会社のお荷物のようだ、だが会社の荷物になっていないので、結果のとおりのショットにしたと。
飛行機と合さったモダンな感じが、当時のモダンな音楽のイメージによく表されている。

音楽は、チンチキと入ったりするので、A4の彼等のオリジナル「MONOTONIA」等が有名になった。
でも私が好きな曲はA3の「IN YOUR OWN SWEET WAY 」マイルスがWORKINで演っているあの曲で、スローテンポの良い感じである。
B面も彼等らしい好調さを保ち、ラストの「ARE YOU REAL」等もアート・ブレイキーで有名な演奏だが、これもイタリア人らしい哀愁と楽しさを失わない個性的なサウンドである。
作品を一言でいうと、イタリア人の達者な音楽性が出た傑作である。

これも私も好きな一枚

PAT MORAN “THIS IS PAT”
2015/11/22

PAT MORAN “THIS IS PAT” AUDIO FIDELITY AFLP 1875 (USA)

こんな素敵なジャケット写真のアルバムが入荷して嬉しいかぎり。
でも、今回もカット盤で左下に穴が開いていた。
またかと思い、過去のデータを調べて見たら、なんと2010年までは毎年一枚入荷していて、その後は2年に一枚づつしか入荷はないが、なんと確率8割でカット盤なのである。
まあ、綺麗な物はカット盤という事は当たり前ではあるが、いかに当時売れていなかったか、またはサンプル用に作られたものが流出したかである。
と言っても、このアルバムのカットの方法は、ドリルホールと言いその通り、ドリルで穴を開けたものである。
穴の部分を良く見ると、まあ、穴が開くほど見たのだが、穴を開けたその際に紙片がくっついていたので、それを針で引っ張り出したら、あまり気にならなくなった。位置的にも悪くなかったのだ。

さて、この写真、なんとも不埒な事にピアノの鍵盤に足をどんと載せている。
あるお客様の話。
その奥様はご幼少の頃からピアノを習っていたりして、音楽に造詣が深い品の良い育ち。
ところが不運にも、この写真が目に留ってしまった。
日頃から怖い方とは噂に聴いていたのだが、さあ、怒った。
ピアノの上に足を乗せるとは何事かと、こんな邪悪なレコードなど家においておくことは出来ないと、たっぷり怒りを聴かされ、旦那の過去の失敗もほじくり出されて、一緒に再び怒られたという事である。
馬鹿真面目に考えれば確かに、ちょっと不遜な態度ではある。
その不遜な態度のピアニストがこのアルバムの主人公である。

ジャケットは赤いハイヒールを履いたセクシー度100%のすらりと長い脚が、ピアノの鍵盤に乗せられ、しかも、ちょっとイライラして、足を組んでいかにも疲れたという様子。
後ろの男二人も困った様子だが、セクシーな足の前では霞んでしまって、出番はなさそうな状況である。
もっとも、この足がパット・モランの足かどうかと解らない。
しかし、なんとなくそう思ってしまう。
きっと美人であろう、いや、赤いハイヒールなどというセクシーな御足しこそ、そうあって欲しいと願いながら、このアルバムを聴いてしまう。
ほんとうにセクシーだこと。

ところが音楽は、しっかりしているひょっとして男かと思える所も無い訳ではない。
なかなかの骨太の好演奏。
しかも、ベースが今なお死して人気のスコット・ラファロ、その出来もまた傑作とよべるもの。
それもそのはず、日本の某レコード会社は、そのラファロ名義に仕立て上げ、ベ−スの音をガンガンと強調し、一枚の傑作に仕立て上げたのである。
商魂たくましいとはこの事。

ショウビズの世界は厳しい。
両方、聴いたけど、赤いハイヒールのジャケットの方がいいなあ。

TED DANIEL “TAPESTRY”
2015/11/21

TED DANIEL “TAPESTRY” SUN RECORDS SR112 (FRANCE)

ちょっと面白くて、凄いアルバム入荷。

私はまず、ジャケットを眺めていた。
あたかもキース・ヘニングの様だが、もっと痩せて長い手足族と言ったらいいのか。くねくねと書かれている。
サン・レコードだけに右側に太陽か。
それはそれで置いといて、裏側を見る。
ん!
Recorded at Ornette Coleman’s Artist house 1974.
Produced by Noah Howard.
オーネットが録音か、プロデュースがノア・ハワード。えっ!これは凄いぞ!
こんな凄い新人だったのかと、狂喜して喜んだ。
しかし、よくよく考えてみたが、オーネットのアーティスト・ハウスというスタジオを使わせてもらったという事かと、ちょっと落胆。
まあ、実態は良く分からないが、他にエンジニアが書かれているからそういう事か。
しかし、落胆する事はない、なにしろ天下のノア・ハワードがプロデュースした事は間違いない。
やっぱり凄いことだ。

メンバーも凄いぞ、ドラムがJerome Cooper.
ヴァイブがKahn Jamal
それに彼Ted Daniel,と弟のキーボード奏者Richard Daniel。
ダニエルというと、私は映画、ベストキッドだったか空手キッズというのか、映画の中で「ダ・ニ・エ・ルさん」という空手師匠が主人公を呼ぶ時の言い方が思い出される。
モトエ

そのダニエル兄弟がこのアルバムを録音したのが、ロフトジャズのもっともホットな74年という所も意味がある。それだけのことでオジサン感動してしまう。
感動沸点が浅いんだな。
ダニエル君はその後、中村達也とも共演していて来日もはたした。

内容はエレピながら黒人フリージャズというか、ロフトというか、レアグループというか、黒いサウンドのナイス・アルバム。
ドラムがまた激しくて凄いんだ。
A−2のドラムソロも凄いのだが、B面が面白くて、B−1はなかなか風情のある哀愁スピリチュアル。
B−2などは、サウンドの洪水でブラックジャズもここまで超絶サウンドを作り上げていたのかと感動する。
いや、両面聴いてしまった。

久しぶりに血が騒いだ。
コーヒーもジャズもブラックに限る。 うん!

袖の長さ
2015/11/20

ずっうと、言おうと思っていたのだが、袖の長いワイシャツなどを着ている人。
トイレで手を洗わないの?
だって、袖が長いと袖の先に水が掛かってしまうから。

デパートの洋服屋の若い店員さんは袖の長さを合わせる時、必ず長目にされる。
すると袖は擦れて、早くシャツが駄目になるし、机などで擦れて汚れるし、トイレでは水が掛かるし、ロクな事がない。
やっぱり生活に支障のない長さがいいと思うのだが、そういう時代なのか。

本当にトイレで手を洗わないのかと思ってデパートで注意して見ていたら、指先をちょいちょいと濡らしてハンカチも出さず、前髪の辺りをちょいちょいといじっている。
そんなもんかな。

テクニクス プレイヤー SP−10
2015/11/19

先日、壊れたプレイヤーのSP−10・
パナソニックの修理担当から電話が掛かって来て、修理が出来ましたと。
ああよかったとほっとすると、先方も直って良かったですと、嬉しそう。

なんでも内部の何かが緩んでタンテーブルに当たっていただけだと。
取り除いて綺麗にしたところ異常音が無くなったという事である。

早速、運んで頂き、店に設置。
本来の店の落ち着きを取り戻した。

本 ERIK RASMUSSEN “JAZZEN IFOLGE”
2015/11/18

本 ERIK RASMUSSEN “JAZZEN IFOLGE” (DENMARK)
CD付 演奏者 FINN ZIEGLER(violin) TRIO STUNT

デンマークで作られた本、というより絵の作品集。
会社はレコード会社のSTUNT。
このエリック・ラスムッセンという人は画家・デザイナーなのだ。
デンマークのジャズのレコードやCDのジャケットの絵を沢山描いている。
きっと、これなら私も持っているという方がおられると思う。
私の記憶では、FREDRIK LUNDINというレコードのジャケットの絵もこの人の作品である。
北欧の人らしくひかえ目で、適確な表現の、なかなかの味わい深い絵である。
従業員の話によると、絵の風景を見に、わざわざ行ったら、まったく同じ景色で上手くしかもさらっと書いたものだと驚いていた。

その人の画と、CD一枚が入った画集で、縦20センチ、横22センチほどの小さな本である。
ページ数は50ページとひかえ目だ。

演奏は、ヴァイオリンのFINN ZIEGLER
ギターのJACOB FISCHER
ベースのJASPER KUNDGAARD
という3人によるライブ演奏で、音質も良く、拍手や笑い声も入って客席と一緒になった楽しい演奏が聴ける。

記念にと一冊だけ購入して来たものである。
売れなければ、店内に置いて飾りでもいいか。


(価格 \5,000.-)

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