HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
| CHARLIE HADEN “CLOSENESS” | - 2016/01/05
- CHARLIE HADEN “CLOSENESS” A&M/HORIZON SP710
今回はイタリア盤の入荷で番号が SLAM68710 となっている。 イタリア盤は珍しい上に、ジャケットの造りがちょっと違っていてアメリカ盤がカンガルージャケットなのに対して、こちらは通常のダブル・ジャケットである。
録音は大体76年の4月に行われている。 それは、収録の4曲をそれぞれ、Ornette Coleman, Keith Jarrett, Alice Coltrane, そしてPaul Motianとデュエット形式で、一曲づつ相手も違えば録音日も異なるという訳である。 この作品は彼の音楽性のすべてが注入され、美意識から政治思想まですべてが表現された力作であり、大傑作であると私は断言する。
この作品は71年に製作された(例の赤旗をたなびかせたジャケットの左翼思想丸出しの)Liberation Music Orchestra(リベレイション・ミュージック)Impulseの続編として、彼は構想を練っていたようだが、かつてのメンバーのスケデュールや居住地などを考えれば最早それは不可能で、デュエットでどうかという話になった。 それで当時、もっとも彼が音楽的にも信頼を寄せている4人に絞り作品は作られていった。 彼が考える音楽の美しさと言う点における最も卓越した4人、かつ信頼している4人が選ばれたのである。
ところで、この作品は見事な美意識を感じながら最後まで聴き入る事が出来る。 だがしかし 最後のポール・モチアンとの一曲は、バックに銃声が鳴っており、訳ありげな歌だのあり、人の叫び声もあって、わざわざ遠くに聴こえるような音にしてあるものの、その心は激しく、余りにもせつない。 それで、英文のライナーを読んでいると、なんだか71年のポルトガルで彼の不当な逮捕劇があった事などが書かれていて、これは読んだものの私の手に負えず、日本盤のライナーを探していると、児山紀芳氏の文章にちゃんと書かれていた。児山さんて結構真面目だったんだね。 それと併せて読むと、71年ニューポートジャズフェスティバルの欧州ツアーの一環としてポルトガルでの国際ジャズ祭に出演する為に、妻の病気など無理を押してやむを得ず赴いた。 さて、その頃、ポルトガルも欧州列強同様多くの植民地を世界中に持っていたのだが、戦後徐々に各国が手放していたのだが、ポルトガルは頑強だった。すでに手放してしまった各国が良い子ぶって非難轟轟のなか、アンゴラ、モザンビーク、ポルトガル領ギニアなど植民支配を続け、ついにこれらの国で猛烈な独立運動が起きて来る。しかし、当時の政府は民族独立運動を武器で徹底的に抑え込んでいた。悪い国だ。これを考えると日本など、中韓から恨まれる所など一つもない。モトエ。 演奏を始めようとした時、ヘイデンは観衆に向かって「この音楽をMPLAなどアフリかの黒人民族解放戦線に捧げる」とスピーチ、後ろにいたデューイ・レッドマンも、エド・ブラックウエルも同調し、拳を突き上げたのである。 それが秘密警察の目に留まり、翌日出国時にかれは拘束されてしまう。 しかし、そこからがアメリカ国家の凄い所で、ちゃんと名前も書かれていて、アメリカ大使館文化広報局局長ジェームスコーンリーがポルトガルに抗議し、かろうじて釈放されアメリカ大使館で一夜を明かしたあと、出国できたのである。 ところが、軍事政府のポルトガルは報道管制をしき、表ざたになる事はなかった。
という71年の経験を経て、この作品を作ろうとしている76年になっても、まだ独立運動は続いていた。 彼はここに第一作目のリベレイション・ミュージックでの主張を込め、またアンゴラ解放戦線とポルガル軍との戦闘の模様を入れたのである。 当時、最も美しい音楽と共に、流れて来る「音」は、植民地からの独立の命を懸けた戦いの尊さであり、これぞ「美」の真髄であると彼は言いたいのである。 自由を獲得する戦いこそ、美であると。 これぞ自由であり、真の民主主義であり、自分可愛さで戦争反対などと平和な国でたわごとをいっている日本の若者に聴かせたいものだ。左翼でもないのに左翼ぶるんじゃねえ。いや、モトエ。
昨日、これをかけていたら、来店した外人が甚く感心して、この日本盤の方を購入していった。 良い音楽に出会ったと大喜びされれば、私もレコード屋冥利に尽きるというものだ。
しかし、これぞヘイデンの大傑作なのである。
|
|
| 通販リスト | - 2016/01/04
- 明日、5日の更新はありません。
|
|
| 本日営業 | - 2016/01/03
- 1月3日、
本日営業中。
但し夕方6時に閉店いたします。
|
|
| あけましておめでとうございます | - 2016/01/01
- あけまして、おめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
尚、新年は3日より営業致します。
|
|
| 年末 | - 2015/12/31
- 本年も皆様のお陰で、ハルズも無事やってまいりました。
心より御礼を申し上げます。
私は、今日は風邪っぽいので、早めに帰り寝ました。 夜の部は従業員に任せました。
|
|
| 本 「シナトラ・コンプリート」 三具保夫 駒草出版 | - 2015/12/30
- 本 「シナトラ・コンプリート」 三具保夫 駒草出版
かなりの数を仕入れたつもりでしたが、あっという間に売れてしまい、皆様にご迷惑をお掛けいたしました。
本日、数冊だけ入荷いたしました、 ジャズ好きな人にもとてもタメになります。
また、三具氏のサインがあった方が良い方には、入れていただきます。 裏表紙が黒なので、シルバーのサインペンも仕入れて来ました。
(送料は当店で負担いたします。)
|
|
| CHET BAKER “CHETTY’S LULLABY” | - 2015/12/28
- CHET BAKER “CHETTY’S LULLABY” RCA VICTOR PM45 3068 (ITALY)
45回転 EP
チェットの数少ない、幻の名盤級のEP入荷。 これのEPの対をなす、もう一枚の"IL MIO MOMANI"(VICTOR PM45 3080)の事は以前に書いた記憶がある。 そちらの名演奏"IL MIO MOMANI"「イル・ミオ・ドマーニ」と共に、イタリアでのチェットの名曲かつ名唱の双璧である。
CHETTY’S LULLABYはイタリア語ではNINNA NANNA DI CHETTYと書き、NINNA NANNAとは子守唄の意味である。 そしてB面の「SO CHE TI PERDERO」はCheとTiでChetに掛けて、中々の良いごろ合わせである。
ところで、このEPともう一枚の"IL MIO MOMANI"は同じ時に作られ、イタリア人の作詞家とチェット本人の作曲によるものである。
その前にチェットはイタリアでドラッグの容疑で刑務所に入る。 それも、早期に釈放されるや、イタリアのRCAは早速彼を確保し、作らせたのがこれらの2枚とCHET IS BACKで,62年に発売となったものである。 イタリアではチェットの才能を高く買っていたのであろう。 その証拠に、これ等はどれも、チェットの歌の中でも断トツの出来ばえである。 刑務所に入れられてもチェットはイタリアが好きで、又イタリア人もチェットが好きなのだな。
このEPもまた大変なレア盤で、更に綺麗な物なの及ぶべくもない。 いかにも紙が薄く、弱々しい造りのジャケットを眺めると、良くぞここまで保ってきたものだと感心せずにはいられない。 歌は、もう一枚と同様、彼の唄とトランペットをバックのENNIO MORRICONEの楽団が支えると言う塩梅。楽曲本来の良さ・可愛さに加え、彼のムーディーなトランペットの音色とそれに続くボーカルの素敵さ、そしてモリコーネ楽団のロマンチックな演奏で、とても素敵な演奏になっている。
イタリア語の歌だけど、素晴らしい。
|
|
| レコードの保存の事で。 | - 2015/12/27
- あるお客様が、5年程棚に入れっぱなしのレコードを聴こうと取出した所、なんと盤面にアバタになっていてショックだったと。
そのレコードはスエーデンのレコードである。 その類の話は他にもあって、以前買っていたEPを取り出したら、盤面がアバタのようになっていた。 確かに、購入時は綺麗な盤面であったと記憶しているという話である。
それで、そのような状況になった人と話をまとめて見た。 まず、レコードの原産国としては、ノルウェー、スエーデン、デンマークなど北欧に限っている。 しばらくと言っても数年間一度も聴いていない間、棚に置きっぱなしにしていた事もわかった。 その間の保管は、ビニール製の内袋を使用し、更に全体をビニールで包むようにしている事。 開けた時の状況を伺うと、ビニールの袋は密閉されていて、袋を開けた瞬間、酸っぱい臭いがしたという。
それらから、想像される事。 これ等のレコードが通常我々のいう、ビニヤケと同じ様な状況では無かろうかと考えられる。 北欧のレコードを日本の暑い夏と湿気により、長期間保管していると空気の流通が無くなった際に、化学反応が起こった。 北欧のレコードの成分がアメリカ等と若干異なっており、アメリカ盤などはビニヤケという「白濁」した状態になるのだが、北欧盤は成分のガスが発生し膨張してアバタ状態になるのではなかろうか、と仮定する。 従って、まず年に数回は空気にあて、時々聴く事が肝心である。 また、日本の夏の高温多湿の状況を軽減する措置が求められるのは、ビニヤケと同じ状況ではなかろうか。 それと、もう一つレコードを必要以上にビニールなどで保護をしない事。 密閉すれば、するほどビニヤケしやすい状況に近づけているのと同様であろう。
内袋も長期間聴かない場合は、紙の方が空気が通るので好ましい。 私達ショップは紙で擦れて傷がつきにくいように、ビニール製の内袋も併用しているが、自宅では状況に応じて選択して頂きたい。 部屋の温度、湿度の調整なども併せて、考慮していただきたい。 以上は、当店およびマニアによる話し合いによる仮説である。 工業関係者もいるので、かなり近いのではないかと思っている。
ただ、半月状の内袋は、カビなどの臭いを吸う働きがあるので、これはこれで大きな利点である。 何が良くて、何が悪いかは個人差があり、なんとも言い難い難いところである。
|
|
| PAT O’DAY “WHEN YOUR LOVER HAS GONE” | - 2015/12/26
- PAT O’DAY “WHEN YOUR LOVER HAS GONE” GOLDEN CREST CR3009 (USA)
4曲入りEP
こんな珍しいEP入荷。 いやいや、長生きはすものだ。 ジャケットはLPと同じ写真ではあるが、薄い紙のモノクロ写真である。 でも珍しいからまあ良いか。
この12インチのアルバムの方は、美女ジャケで有名になり大騒ぎをされたLPである。 胸もあらわな薄着の美女、果たして本人かどうか分からないが、マットに横座りになり周囲にレコードを並べ、ポータブル・プレイヤーで音楽を聴いているジャケットである。 ジャケットがセクシーでソソられる上に、歌が結構良いので人気が急上昇した。しかもレア盤と来ている。
レーベルの「GOLDEN CREST」という会社のレコードもあまり出てこない。 だが、時々には面白いものも出されていたようで、ここの会社の事を、差して言う時は「ほらあの、女の人が寝っころがってレコードを散らしたヤツ」という表現でみんなが納得する事になっている。
その会社のこんなEPが出て来たので、私は驚いたのだが、裏をひっくり返すと大文字でしっかり「D.J.Copy」と書かれている。 どうも放送局に配られたものらしく、曲は4曲である。 EPで4曲もあればLPなど不要で、もうこれだけで十分だと思ってしまう。 いやいや、LPは買わねば。 ところで、DJコピーと書かれた下にヘンな事が書かれている。 英語から考えるに、曲は連続して演奏される事はなく、一曲づつ完結していて、レコードプレイヤーの針を次に進めたい時は、あなたが自分で針を進めてくれ、という意味らしい。 それならばと聴いていると、なるほど、一曲づつで完結しているのだ。 面白いEPもあったものだ。 ラジオ局で掛けて貰おうと考えたEPである事がよくわかる。
これはレア盤だ。 うん。
|
|
| LESTER YOUNG “LESTER YOUNG TRIO” MERCURY(SP) | - 2015/12/24
- LESTER YOUNG “LESTER YOUNG TRIO” MERCURY C104 (USA)
2-SP BOX SET
これは珍しいアルバム、いや、これぞ正にレコード・アルバムと言える所以である。 写真アルバムと同様に、厚手の表紙があり、中にレコードが数枚入っている、めくりながらラベルを見たり、説明を呼んだりして楽しむことが出来る。 これがレコード・アルバムとして発売された原型である、
その貴重なものは、なんとレスターヤングのSP(78回転盤)2枚が収まったアルバムである。 レコード会社はMERCURYである。 アルバム(箱)の背文字にC104と番号が打たれている。 後に10インチでも発売され、CLEFでもラベルを変え同じ番号で発売された人気盤である。 今回のアルバムは12インチ(30センチ)盤のSPである。 ジャケットは、ピサの斜塔の絵柄で、10インチ盤の第1集にあたるので、赤地に黄色のデザインである。 アルバムの裏はエンジ色の重厚な紙で覆われていて、全体の造りを見ているとコレクター心がそそられる。
曲は4曲で、それぞれレコードのラベルに番号が振ってある。 348 Back To The Land (Original version) 349 I Cover The Waterfront 350 Somebody Loves Me 351 I've Found A New Baby 1946年第2次大戦が終わった翌年である。 今更説明も要らないが一応メンバーを記せば、 Lester Young (tenor saxophone) Nat King Cole (piano) Buddy Rich (drums) の3名。ナットキングコールもまだピアノで身を立てようとしていた頃だ。 思えば、すでに70年の月日が経っている。 それだけでも感慨深い物がある。
盤質は若干サーフェスノイズがあるが、SPとしては良好だと思う。 演奏は文句の無い傑作であることは説明不要。 しかし長年、こんな綺麗なままでジャケットが保たれていた事にいたく感心して「なんも言えねえ」。
|
|
  
|