BARRE PHILLIPS “JOURNAL VIOLONE” | - 2024/10/24
- BARRE PHILLIPS “JOURNAL VIOLONE” OPUS ONE #2 (USA)
2週間ほど売れ残っている。 この世に、良いレコードは数あれど、その中でも自信を持って他人に薦められる作品はそんなにある物ではない。 勿論、人には好みがあるわけで、あの人に良いがこの人には駄目だとか。 しかしこのアルバムは、そういう人の好みを分かっていながらつい奨めてしまう本当に良い作品であると思う。 念の為に言えば、フリージャズ関係の人だと思われている通り、一応フリージャズの範疇に入る。 だが、時として枠を超えて素晴らしい作品は生まれる。であるからフリージャズを嫌いな方も聴いて頂きたい。
また、演奏はもちろんの事、何より音が良い。 ベースのソロながらゴリっとした音が入っている。 それをゴリっと表現させるオーディオの音の設定の仕方も楽しい。 このレコーディングに当たっては音をいじらず、ストレートにそのままアルバムにしたそうで、彼の音に対する美意識の高さが出ている。
オーディオ的に言えば、ベースの音すなわち低音は基本中の基本である。 だが、これは良い低音だと言える音に、最近 まずお目に掛かった事がない。オーディオが駄目なら、それならレコードの低音の高音質盤を聴いていただきたい。 ジャンルを超えて満足するはずである。
さて、本人バール・フィリップスは元々クラシック畑の出身だが、即興音楽に惹かれたか、65年にAttila Zollerの The Horizon Beyondで共演し、一挙に評価が高まり日本でも雑誌などに紹介された。 その次作が68年、本人名義のソロ・アルバムであった。
その後、彼がECMに録音した際にもジャーナル・ヴィオローネというタイトルを踏襲しているので、この作品が余程、心に来るものがあったに違いない。 ベースと言わずにヴィオローネと言った所にこそ、かれの低音弦楽器への思いがあるのだろう。
良いレコードは有る物である。ジャズって本当にいいですね。
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