HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
| 友人から電話 | - 2019/05/25
- 夕方、友人から電話が掛かって来たので出たら女の声。
嫌な感じがするが仕方がない、案の定奥様だった。 「ウチの人が、くも膜下で倒れ、ただ今入院中です」と。
一週間前に会って喫茶店のコメダでコ−ヒーを飲んだばかりであった。 元気だったのに...。
その時、一緒に彼の友人も来て、その友人という方は脳梗塞で倒れ半身不随と言語障害になったのだが、努力で回復したという頑張り屋。 何しろ、左手が動かないのに、家族の猛反対を押し切って車を購入。 必至になってウインカーを動かしたり、右手で補助したりして、車が傷付きながらもなんとかして来た。 自転車にも乗り転んで、身体中傷だらけになりながらそれが回復のためだと頑張った。 そんなこんなで4年掛かって復帰したという猛烈な意思の人だから、もしもの時は参考にしてくれと紹介されたのである。
それが今度は、彼が努力する立場になろうとは。 大変なことになってしまった。
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| OLIVER NELSON "BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH" | - 2019/05/24
- OLIVER NELSON "BLUES AND THE ABSTRACT TRUTH" IMPULSE A-5 (USA)
今日の海外からの入荷は珍しいプロモ盤でモノラル盤。 ジャケットを見ても何のレコードか分からなかった。しかし良く見ていると、それがジャズ界きっての大名盤である事に気が付いた。
まず、物を説明しよう。 盤はインパルスであるが、白地に黒の印刷で、Am-ParとかABC等と言う記載はなく、なぜかNelson Music Co.と下側に記載。 勿論スタンパーはRVGである。 ジャケットが不思議な事に、内側の彫刻の写真なのである。 William Kingという彫刻家の作品、ブリキを張り合わせた顔なのだが、ちょっと悲しげな表情を読み取れる顔の前に、なぜかマイクをセッティングしたという写真。 その裏には作品の説明(ライナー)になっている。
ひょっとして、当初、この作品はこのスタイルで行こうとしたのであろうか? あの、芸術的なカラフルな写真はどうするつもりであったのであろうか?それとも、まだ正面のジャケット写真が決まっていなかったのであろうか? 色々、ヘンな想像が膨らんでしまう。
というわけで、とんでもなく珍しいレコードなのであった。 しかし、聴いていると、本当に凄い作品で、そのサウンドの見事さも言うに及ばず、モダンジャズを代表する、大傑作である。 こういう作品を聴くと、他人に「俺はこんなレコードを知ってるぞ!知らせなければ! 教えたい!」などという気持ちが湧いてくる。それは独りよがりの勘違いだけどね。
だが、それにしても良い作品だなあ。
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| 今朝の一枚、二枚... | - 2019/05/23
- 朝食の後、Paco De Luciaのレコードを聴いた。
レコードは「Friday night in San Francisco」というタイトルで、Paco と McLaughlin と Al DiMeolaの3人の競演。よくぞこの3人を集めたというライブ。 私はA−1のMediterraneaなんとかという曲の演奏が特に好きだ。 とにかくPacoのためにあるかのようなこのレコードに圧倒される。
聴き入っていると、パコのノリノリなギターに私も興奮してくる。 私の興奮度合を計ったかのように、レコードから観客の興奮した声が徐々に大きくなって行く。 こうして、この曲が終わると、次のレコードを何にしようかと、しばし戸惑ってしまうのだ。 良い作品と良い観客、両者を体現する作品など稀であり、それに近い雰囲気の作品とてそうそうあるものではない。
次に掛けるレコードを決め兼ねてしまい、雰囲気を合わせられずに、時間を置くためにコーヒーにする時もある。
しかし、今日は観客の力を頂きたいと、私の選択は、Donny Hathaway の Liveというレコード。ジャズじゃないけどさ。 A面冒頭から始めて、特にラストのYou've got a friend。 Pacoの演奏とは違って大体がスローテンポの曲なのだが、私にはスピードの違いがそれほど変わって聴こえるわけではない。ノリがグイグイ来るから。 こちらは、観客の大合唱とキャーキャーと叫ぶ、まるでかつてのビートルズ騒動の再現かと思えるような大騒ぎ。 私も観客の声に合わせて歌ってしまいたい衝動に駆られる。 なんだか、私の人生が丸裸にされたような、後悔や悲しみが一度に噴出してきてしまう。
音楽があって私の人生は幸せだった、本当に良かった。 と思いながらコーヒーを飲む。
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| 今日は大雨 | - 2019/05/21
- 今日は思いのほか風雨が強く、春の嵐であった。
春の嵐というか、ストラビンスキーの春の祭典をも思い出すような様相で、嵐も祭典の内、というしかない大風雨であった、
クルマで病院に行こうと家を出て、ワイパーを回したところ、ちょうど視線の部分に拭き残しがあって、どうも路面など良く見えない。
止めてワイパーを調べると、なんと、運転席側のワイパーの取付あたりにゴムが切れていて、それで吹き残しがあったのだ。
それで、病院のあとオートバックスに行き、ボルボの該当ワイパー探すとちょうど見つかり購入。 外で取り換えようと、クルマに近づくも風雨でままならない。 近くを通りかかった店員さんに事情を話し雨の当たらない場所を貸してくれないかと頼むと「ああ、ちょっと待ってください」。 売り場の店員さんが出てきて「ハイハイ、今日はサービスです」とチャッチャとやってくれ、あっという間に交換終了。 オジサン、助かったよ。 雨の日は良い事もあるものだ。
親切にしてもらったから、また、オートバックスに行こう。
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| NHKの朝の連ドラ | - 2019/05/20
- 最近はNHKの朝の連ドラに目が行かない。
今やっているドラマの「夏ぞら」にも気が行かない。 広瀬すずの整形したかのような顔の変わりようが、なんだかつまらなくなった。 姉妹を比較するのも何だが、広瀬すずのお姉さんの方が、役者に邁進すればずっと大物になるだろうと勝手に期待を高めている。 もっとも、最近、女優という人は居なくて皆テレビタレントと呼べる人ばかりで、果たして、どうなるのか? まず、企業のCMに出るな!といっても今は芸術よりお金の時代。 金なくして芸も無しか。 京マチ子が亡くなったらしいが、女優として邁進することは、さぞかし大変な事であっただろうと思う。 本物の女優らしい、私が一番好きな女優であった。でも彼女も長生きしたんだね。 モトエ。
「半分青い」もなんだかんだと文句を言いながら見た、全体的に言えば楽しめた。 一昨年の「ひよっこ」が主人公の女の子がストイックな感じが出ていて、こっちも気合が入って見られて、最も楽しかったと家内と話しながら、朝食を食べている毎日である。
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| オーディオの話 | - 2019/05/19
- 私の制作スピーカー、私がいつも言っている人生最後に制作した2つのスピーカーの内の1つが売れた。
Klang-Film KL-307-11 (15Ω)を特製のやや大きめのバックロード・ホーンに入れたものである。
知合いが、使用中のスピーカーが壊れたので修理出来ないかと相談を受けたのだが、症状からして治らないであろうと判断して、買い替えを薦めていたのだが、たまたま、当店の倉庫に置いてあったのを試聴され、そのまま購入の運びとなった。 自宅に運び込んだ時は、何かが鳴っていないような様子だったようだが、日にちと共に徐々に元気になったらしい。 今は良く鳴っているとの事。 音質としては自然で中低音がしっかりと出るように工夫したつもりである。 よって、部屋に音が馴染めば、悪くは無いと思っていたので、ほっと安心した。 人生最後の二つのスピーカーの1つと言う事は、亡くなった友人と一緒に作ったものである。 私としては、安くてもいいから誰か後継者が欲しかったのである。かと音を気に入ってくれないと、こちらとしても面白くない。 という事で買ってくれた方は私の音の後継者ということになる。 私としては大変嬉しい後継者の出現であった。
といっても、ユニットのKlang-Filmは戦時中のドイツで開発されたもので、相当古い。おそらく私と同じ年齢である。 それが面白いもので、立派に鳴るのだから私も友人も驚いたものである。 古さゆえにちょっと心配なのだが、多分、それほどヤワでは無いと思っている。 出力の馬鹿でかい最近のアンプで鳴らすのはちょっと心配だが、能率がよいので、それほどボリュームを上げなくとも、それなりの音は出るはず。丁寧に使えばそれなりに期待に応えてくれる。
安ければ同じユニットを予備に1セット探して置きたいのだが、出てくるかどうか疑わしい。
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| THELONIOUS MONK "QUINTETS" | - 2019/05/18
- THELONIOUS MONK "QUINTETS" ESQUIRE 32-109 (UK)
Smoke get in your eyesを演奏した名盤とまず言っておこう。
これまた大変なレア盤である。 原盤はPrestige 7053番 である。 オリジナル盤はもとより、二度目に作られたウォーホールのデザインによるジャケットの方も、それぞれ人気がある。 以前はどちらが古いかという論争もあったが、今は落ち着いている。 まあ、ジャズ批評が特集で違った方を原盤にして掲載しまったので、後日それを修正して出版し直したので落ち着いたというべきか。 まあ、いずれにせよ出て来ない一枚である上に、当ESQUIRE盤とて、これまたレア盤であるのは不思議である。 どういう訳であろうか。
このアルバムのA面2曲目に「煙が目にしみる」を演っている。 モンクのこの曲はなぜか聴く人の心を打つ演奏で、私もしんみりと聞き入ってしまう。 勿論ソロで演ったフランスのSWING盤もなんとも言えない雰囲気を持っている。 ここではRay CopelandとFrank Fosterの2管と一緒に演奏しているのだが、素晴らしい。 この曲はジャズのスタンダードとなっていてジェローム・カーンの作曲によるものであるが、その後幾多の人によって歌われていて、戦後すぐにナットキング・コールなども歌っていて、モンクのこの演奏が54年、すぐ後の55年にはClliford Brownも演奏している。 その後、58年にはプラターズのコーラスが大ヒットしたからこそ、日本でもこの曲が知られるようになったという、ジャズではここまで広がらないのだな、というモンクには全く関係の無い話であった。
それにして、気合の入った良いジャケットである。 私は嬉しくなってしまう。
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| MILES DAVIS "SPACIAL" BARCLAY | - 2019/05/17
- MILES DAVIS "SPACIAL" BARCLAY 84052 (FRANCE)
大変珍しいアルバムである。 フランスで発売されたものである。 メンバーを眺めていると、Sonny Rollins, Charlie Chan(Tenor-sax) などと書かれている、あれっと思い盤のスタンパーを見たらPR-7044となっていた。 Prestige7044(Collectors Item)のフランス盤であった。
ジャケットは全くアメリカとはことなる、かといって、イタリアの時計のジャケット・デザインとも異なっており、しかも、タイトルまで変えていて、「Special」だと。
いやいや、驚いた。 音質もはもちろん良く、RVGスタンパー仕様であり当然の所である。 しかし、こんなレコードも出ていたとは驚いた。
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| 本屋 | - 2019/05/16
- 最近、街で本屋を見かけなくなった。
それで、ちょっと調べてみたら、20年前の半分の数しか本屋が残っていないらしい。 1999年 22,296 店 2017年 12,526 店 ネットで調べたのだが、実際に店があって本が並んでいる、つまり「店売している書店」は、更に少なく、9,800件前後にあろう、とされていた。
確かに本は読まなくなった、電車の中でも本を読んでいる人はまず見なくなった。 かくいう私だって、大手の本屋では絶対に買わない、なぜなら、椅子を設置し立読みを奨励している店で、他人が読んだ本など買いたくも無い。 読んだ本は中古にして欲しいものだ。 だったらアマゾンで注文した方がマシである。
そういう時代だな。 やっぱり本屋は消えて行くんだ。 妙に納得
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| DUSKO GOYKOVICH “SWINGING MACEDONIA” | - 2019/05/15
- DUSKO GOYKOVICH “SWINGING MACEDONIA” EMI/ODEON(東芝) OP-8617 (日本)
良くぞ出た、この珍盤。 勿論原盤は1966年のドイツである、ほぼ同時期に英国でデザインを変えEMI/COLUMBIAでも発売され、その後、ちょっと遅れてダスコの祖国ユーゴスラビアでも夕暮れをバックにしたデザインで発売された。 ユーゴスラビアのレコード業者はユーゴがオリジナルだと強気な発言をするのだが、それはちょっと違っている。
ライナーによると 66年1月にデレクターと当作品の制作が図られ、メンバーはダスコに一任され、揃ったのが当メンバーである、ユーゴスラビア、アメリカ、ベルギー、フランス、ドイツ、オランダと各国に跨ったインターナショナルな人選で、エキゾチックなサウンド造りも相当念頭に有ったものである。 DUSKO GOYKOVICH(t) MAL WALDRON(p) EDDIE BUSNELLO(as) NATHAN DAVIS(ts) PETER TRUNK(b) CEES SEE(d)
さて、タイトル通り作品は見事にバルカン半島のエキゾチック・サウンドである。 当時ドイツにおいて、特にMPSなどではバルカン関連のアルバムが出されている、まあ言って見ればジャズ・インザ・ワールド運動の一環であった。 その中にあって特に当作品は群を抜いている。 冒頭からアメリカのジャズに負けないぞという気概が出ており、管楽器の出来も素晴らしく、更にマルのピアノの音楽水準の高さがぐーっと作品力を高めている。 A−3のOld Fisherman’s Daughterなど風情を出したら世界一とも言えるダスコの独壇場。 昔から聴いている曲であるが、これ程感心した演奏も他になく、今もって聴けばジーンとなってしまう。
作品全体的に、このようなエキゾチックさというのは、聴く人の故郷を思わせてしまう、いかんともし難い雰囲気を持っているものである。 これぞヨーロッパを代表する名盤中の名盤なのである。
さて、今回のレコードは何と日本の東芝盤である。 レコードは赤盤で、ラベルはテスト盤のラベルである。 ジャケットは英国盤に準ずるが、色の使い方が異なっていて、ある意味日本独自となった仕様である。
こんな珍品は滅多に出るものではない。
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