HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
| ジャズ | - 2019/11/13
- ジャズのサウンドはホットで、ビートに力はある、また、その中にはクールなものや影があるのだ。
陽気な中に、また悲しみがある。 一言でいえば、我々が「ブルース感」とよんでいるものである。 聴いていてそんな気持ちにさせられる所が、ジャズって良いなあと思える瞬間である。
20世紀初頭ニューオリンズにおいてニューオリンズ・ジャズが確立して以来、ディキシーランド、スイング、ビバップ〜ハードバップ、フリージャズ、その他小さな細分としてPOPジャズ、ジャズ・ロックなど、まあ、黒人が演って、白人が儲けるという事であっても、常に新しいジャンルのジャズが興り、それぞれ批判がありならが、困難を乗り越えて続いてきた。
以前も書いたが、ガレスピーがBOPをやらなければ、ジャズが楽しかった、という意見もある。 またパーカーはBeBopについて訊かれると「我々の音楽は新しい音楽であって、ジャズではない」と語ったというが、しかし、歴史的にもジャズとして認識されてきた。 フリージャズは70年前後、勢いよく燃え上がり特に欧州などで猛威を振るった。 果たしてこれがジャズかという意見もあり、ベテランのファンが心配したものである。 しかし、演奏者本人がジャズだというからジャズで良いと決めざるを得ない事態でもあった。 ところが、あっという間にフリージャズの力が衰退し、行き詰まりを見せた時、後追いのミュージシャンがまた4ビートに戻って来たのは興味ある現象であった。 勿論今でもフリージャズは存在する。
さて21世紀になったジャズは、演奏がまるでクラシックのようでもあり、そうでなければまるでポップスの演奏のようでもある。CDの綺麗な音というのか、硬い音質で聴かされると、まさにクラシック音楽である。 それでもジャズである。
時代の流れと言えばそれだけの事でもあるが、キース・ジャレット以来、すっかりクラシックの音楽に取り込まれてしまった感があり、クラシック出身者たち等等により、一手法としてジャズの曲を取り上げたり、ジャズの曲を分解し、それを自分のオリジナルとして演奏するようになった。 近年のジャズ演奏家もヨーロッパ系の白人、それに東洋系がかなり多くなった。
ヨーロッパ系のジャズばかり聴いていると、従来のアメリカのジャズを聴きたくなる。 クラシックの中に住居を移しつつあるジャズという綺麗な音楽を、どのように解釈したらよいのか、と思う事もある。それは私だけであろうか?
勿論ジャズは変わって行くもので有ることは百も承知の上の事。 いつまでも、昔のままでいろと言うつもりはない。
50年代の頃のあの優れたレコードの音が、やっぱりいいなあ。
|
|
| BASSO-VARDAMBRINI SEXTET “EXCITING 6 “ | - 2019/11/09
- BASSO-VARDAMBRINI SEXTET “EXCITING 6 “ GTA JA603 (ITALY)
随分前に日記に書いたと思うが、まさか10年分遡って探すのもいかがと思い、書くことにした。 何年ぶりであろうか、久々に好きなアルバムの入荷である。 実は私、今のところクルマの中で聴く音楽がこのCDなのである。
かつて私にとって、このGTAレーベルは特別なもので、何しろSteve LacyのSORTIEとか,MalWoldronのアルバムが出されている会社であって、我々マニアには幻の名盤のレーベルで、かつフリージャズ専門のレーベルだと思っていたのだが、こんなイタリアン・ハード・バップのナイスな一枚が発売されていて驚いた。
イタリアにも買付に行くようになってから、クラブ・ジャズの名盤として教えられ聴いてみると、結構、軟弱そうな音楽でありながら、どこか洗練されていて心地良く、愛聴盤になってしまったのである。 米国西海岸と東海岸の中間という雰囲気で、適当に柔らかく、軽めのリズムが良い、耳当たりが良い。 今となってはイタリアン・ジャズの中でもトップクラスに好きな一枚である。 何よりメンバーが良くて、羅列するとGianni Basso(ts)、Oscar Valdambrini(tp)、Renato Sellani(p)、Giogio Azzolini(b)、そして、トロンボーンのDino Pianaいう当時のオール・イタリアン。 特にディノ・ピアーナが入った時は歯切れのよい低音のいい味が出る。 全曲 捨て曲なし、A面もB面もどちらもイケル珍しいアルバムである。
タイトルが「エキサイティング・シックス」だと、まるで日本の煙草の「マイルド・セブン」と同じようなネーミングである。 思えば70年代だったか朝日新聞の記事、当時私も正義に燃えたやや左寄りで朝日新聞の読者だったのだが、その朝日新聞に日本の英語はハチャメチャで煙草の「マイルド・セブン=柔らかな7」とは、そんな英語はありえないと外人がケチを付けて、それが日本人として恥ずかしいのだ、と記事になっていた。 そんなもんか?と思っていたら、今思えばイタリアもそうだったか。 朝日新聞的に言えば「興奮の6」というのは、やっぱりオカシイのか?いやいや、ネーミングなのだから別にオカシクナイのだ。なんでも日本にケチを付けた新聞がオカシかったのだ いや、今となっては素晴らしい英語である。
「興奮の6」はカッコ良い「6」だぜ。
|
|
| 営業案内 | - 2019/11/07
- 今日から2週間ほど、一人が買い付けに行っております。
従いまして、私一人の店番になってしまいますので、1時間早く閉店いたします。 あしからず
閉店時間 20時00分
|
|
| 好きなフォークのアルバム | - 2019/11/07
- フォーク系・英国トラッド系のアルバムで私が好きなもの。
Sandy DennyというIslandレコードから出たアルバム。 それからBridget St John “Thank You For..” (Dandelion) 1972というアルバム。 それに、Judee Sill(ジュディ・シル)のJudee Sill (1971)と、Heart Food( 1973)いづれもAsylumレーベルの2枚。 ただ、Sandy Dennyのアルバムはしばらく前に、勢いで売ってしまったのだけど。
今日も、しばらく聴き入っていたのだが、売るのを止めることにした。 私はいったい、なぜこれらのアルバムを持っていたのかと考えてしまった。 生きる辛さとはこういう事だと教えられた気がして。 色々あっても、だけど、生きなさいよ、行きなさいよ、それから逝きなさいよと言われているような気がした。 なんだか、今の私には必要な歌だなあとしみじみ思う。
私はジャズの音楽ファンだから黒人の苦しみ・悲しみまたは逆に生きる喜びなどの歌を通して、人生を学び、また心の支えにしてきた、例えばLouis ArmstrongのWhat a wonderful worldやらBillie Holidayなんかの歌を。 だが、生きると言う事は.... とどのつまり白人であろうと黒人であろうと生きることの大変さはみな同じなのだ。 勿論黄色い人間だって。 その人の人生に現れる、また直面する現象は違えど、人は心の苦しみから逃れられない。 だからこそ、世の中を悪いと思わない事、受け入れる事、そのままの人生で素敵だと思う事だと、と思わせてくれるアルバムなのであった。 ある意味では宗教的でもある。 ということで、ジャズでは無いが、今でも聴きたくなる時があるアルバムであった。
|
|
| We shall overcome | - 2019/11/06
- Louis Armstrongのアルバムを聴いていたら、We shall overcomeを歌っていた。
この歌は、アメリカにおける黒人の公民権運動のテーマソングであった。 今もどうなのか知らない。
これはゴスペルとして1900年頃から歌われていたもので、ずっとプロテストソングであった。 1960年代にジョーン・バエズなどフォークシンガー達が歌ってアメリカのみならず世界中に広まったのだが、それに影響された日本では、やっぱりフォークシンガーが歌ったものの、反戦平和運動の主題歌になってしまったが、本来の使用目的がちょっとだけズレた気もする。 まあ、日本らしい話である。
さて、一方白人たちのテーマソングはなんだったのだろう。 それは、You are my sunshine 作曲がジミーデイビスという元カントリー歌手で1960年ルイジアナ州知事選で人種差別の為に戦って政治家になった人なのである。 はっきり言うと人種差別を促進するために戦った。 都合の良いように解釈しない事。 日本では戦後、明るいイメージを持って勇気づけられる歌だと思われるのだが、これもどうかなあ。 しかし、アメリカという国は面白い国で、こんな歌を黒人のレイチャールズが歌ったりするのだから。 まあ、そういうものでもある。
https://www.youtube.com/watch?v=Ti9F-c5t4YY
|
|
| ラジオを聴いていて | - 2019/11/04
- 朝、文化放送を聴いていたら、昭和11年の3大事件を知ってますか?だと。
耳を澄ませて聞き入ると 226事件。なるほどね。 阿部定事件。あっ、そうか。 最後の一つは、上野動物園クロヒョウ脱走事件だそうだ。ガックリ。 ガックリはしたが、当時の新聞でも皆3大事件として扱ったという。 当時は豹イコール獰猛な人食いだと思われていたようだ。 因みに豹は殺される事無く、無事にオリに入ったと言う。
しかし、面白かった。 流石に、私も生まれる前の事は知らないナア。
|
|
| BUD POWELL “JAZZ ORIGINAL” | - 2019/11/03
- BUD POWELL “JAZZ ORIGINAL” COLUMBIA 33CX10069 (UK)
珍盤入荷。 英国ながらテスト・プレスでしかも片面のみプレスでA面・B面で計2枚入っているというわけ。 ラベルは白いColumbia社内用ラベルで、盤にはMGN1017-A などとオリジナルの番号を打ってある。 ジャケは英国なのでいわゆるペラ・ジャケである。
元の原盤は1955年、米国Norgranの1017番である。 それが英国コロンビアで発売契約があったので、まずはテスト盤を制作したのである。 それも片面づつプレスして試聴したのである。 イギリスによく見られるプレスの方法で、丁寧に音を確かめようとするところはレコード好きなイギリス人だなあと思ってしまう。 マニアックで嬉しくなってしまう仕事ぶりである。
音楽は54年から55年にNorgranレーベルに録音したものをまとめ上げたもので、54年が Percy Heath (b) Max Roach (ds)とのトリオで、55年がLloyd Trotman(b) Art Blakey (ds)とのトリオで約半々となっている。 B面冒頭の得も知れぬ美しさと脆さを感じさせる曲、Like Someone In Loveは54年録音の時であるが、なぜかソロで演っている。 更にSomeone To Watch Over MeとTenderlyはベースとのみで、ブレイキーはドラム・ホリディとなっているのが不思議である。
この頃はバドも好調な時期でVerve系に沢山録音を残していて良い時期でもある。 当アルバムのテスト・プレスの音質はハイファイの実に良い音質で、聴いていて自然な音質に感心した。 実にコレクターズ・アイテムである。
|
|
| ASTRUD GILBERTO “CANTA IN ITALIANO” | - 2019/11/02
- ASTRUD GILBERTO “CANTA IN ITALIANO” VERVE SVLP52015 (ITALY)
VerveでもイタリアのVerveという所が興味深い、しかも、イタリアの実の発売だというからソソられる。 しかも、これほど楽しいボサノバのアルバムも他に無く、しかも久しぶりの入荷である。 アストラッド・ジルベルトは、アメリカでスタン・ゲッツとVerveからリリースされたアルバムが大ヒットし、世界中でも大ヒットとなりボサノバ・ブームが起こり、日本にも波が来た。 あれは真さに新しい音楽のジャンルが生まれ、世界に伝播して行った歴史的な大事件だった。 当時はアストラッドとジョアンの離婚が何故か印象に残っていて、他の芸能人ならまだしも、音楽だけが人生のすべてのジョアンと素人くさい奥さんであるアストラッドがちょっとばかり歌が上手かったというだけで離婚しなければならない事態に私の青春の心は痛んだ。 共演のゲッツと、それほど簡単に浮気してしまうのかと悲しい気持ちになった。 しかし、芸能人の中に入るという事は、そういう事なのか嫌な気持ちであった。モトエ!
アストラッドは日本においても日本語で歌わせたレコードも発売されファンを喜ばせた。 同様にイタリアにおいてもイタリア語によるレコードを作ったのが、当作品なのである。 しかし、聴いていてブラジル母国語と全く違和感がない。 彼女の歌はブラジルすなわちポルトガル語で歌っているのを聴いている訳で、今回のアルバムのようにイタリア語版を聴いても、ラテン系という近い言語ゆえか全く違和感は無い。 それどころか指摘されないと解らないという事になる。
曲は、ボサの有名曲のオンパレードで、Tristezza、 The sgadow of your smile、 Manha de carnival、 Summer samba、Aruanda、Fly me to the moon等々、夜のヒットパレードとなる豪華な歌の数々。 それに加えイタリアのヒット曲も数曲歌っていて、両面とも楽しく聴いてしまう。 A−5のGli Occhi Miei、私は昔確かEPを買った記憶があって、非常に嬉しくなってしまったのだが、邦題は「ささやく瞳」で、もう一枚の In Un Fiore「花のささやき」とともに友人と聞き入ったのである。 再びモトエ。
レコードのサウンドは明るくはっきりした音作り、海辺の風のように心地良い。 ボサノバのアルバムとして、文句無しの良い出来である。 それが当時、イタリアのみの発売だったそうで、これぞローカルの幻の名盤という事になる。 ジャケットは当時の目の周りの濃い化粧でにっこり笑っている、その周りをタイトルなどの文字が沢山書かれている。 それもカラフルな所が、ボサノバの明るさを強調している。 平和な60年代をよく表した中々の秀逸なデザインである。 デザインのみならずサウンドもまた、あの時代を現わしている良いレコードである。 当時の原盤は一味違う。
|
|
| SABU MARTINEZ “AFRO TEMPLE” | - 2019/10/21
- SABU MARTINEZ “AFRO TEMPLE” GRAMMOFON VERKET EFG7341 (SWEDEN)
発売されたスエーデン本国においても枚数が少なく、非常に珍しく、それだけに彼らマニアに取っては自慢の一枚でもある。 そもそもサブー・マルティネスというコンガやボンゴなどの打楽器奏者は日本においては殆ど不人気であったのだが、それが2000年近くなってから突然クラブ・ブームというのがあり、コンガのアルバムなども発掘されるに至った。 その中でも当アルバムは強烈な打楽器のアルバムとして、欧州の有名DJ達がこぞって取り上げるに至れば、日本においても再評価されることになったのである。 現地のマニアによると発売が1000枚だの500枚だのと言われるが、はっきり分からない、しかも廃盤価格も最低500ドルというもので、これだけ世界的に一定していては、珍しい事は間違いない。
サブーは、不思議な事にブルーノート・レコードにPalo Congo(BLP1561)という入手困難な一枚のレア盤があって、何故にブルーノートに作品を残したのかとマニアにとって厄介な対象なのである。 そのサブーが73年にスエーデンにて発表したのが当アルバムである。 これがまた、凄い面子で、彼のほかに準備されたコンガが3人、ドラムが2人という重装備。 それを曲により使い分けると言う、コンガのユニゾンというのかどうか知らないが、腹に響くサウンドは気持ちよく、こんな贅沢な配置は他にはちょっとない。 打楽器重視にしたので大編成なのだが、その割にはアルトサックスがChrister Boustedt、テナーサックスがBernt Rosengrenのたった2人。しかし、この2人が大活躍で、テナーのローゼングレンなどはゴリゴリ感一杯のニュージャズの力強いサウンドでA-4のAfro Templeなどコルトレーンも後ずさるような強い存在感を示す。 B-1 Hotel Alyssa-Sousse, Tunisia、B-4 My Christina など、DJ達のサンプリングとしても使われたのは有名な話。 さすがサブーだけある、大仕事であった。 サブーの作品の中でも断トツの一枚である。
なお、オーディオに自信のある方は是非聴かれて頂きたい。 迫力に感動すること間違いなし。
|
|
| SAM JONES “THE SOUL SOCIETY” | - 2019/10/20
- SAM JONES “THE SOUL SOCIETY” RIVERSIDE 12-324 (USA)
このアルバムはオリジナル盤が音質の点においても絶対に良い、Riversideも時々ハッとするような音質のレコードを作るのだ。 だが残念な事に意外にオリジナル盤が出て来ない、不思議なものである。
写真は彼が、ベースとチェロを並び横たえた、素敵なショットである。 かつて私もこのジャケットの写真に魅せられた一人でもある、
さて、このアルバムを取り上げたのは理由があって、それはベースの素晴らしい作品であるという事である、と言ってもベースが主人公であるから当たり前ではあるが、彼の代表作であるのである。 彼は、キャノンボールの楽団で活躍をしていた。したがって、当アルバムはキャノンボールの推薦で実ったものでもあり、またライナーを依頼されたとキャノンボールが喜んで書いているから、良い付き合いであったろう。 彼は中々豪快なプレイをするのだが、ここでは、特にチェロとベースと4曲づつ、弾いてみせる。 チェロの時はわざわざベースを一人雇っていて、ベースとチェロの厚みが増すようにサウンドを作っている。 聴いていて気持ちが良い。 チェロの演奏も巧みである。
共演者はNat Adderley(cornet), Jimmy Heath(ts),Charles Davis(bs), Blue Mitchell(tp)と使い分けられているが、至って親しみ易く、ジャズの熱いサウンドが堪能できる。 A−3のThe old countryはナット・アダレイの曲をブルー・ミチェルが吹くのだが、これがまた良い。 ラストのA−4はSo tiredで、当時の人気曲でハードバップ好きには堪らない。
さらに、ベースのオーディオ・チェック・レコードとしても大切な役割を果たす有難い作品でもある。 かつてはジャズ喫茶で人気盤であったのだが、そんな事を知っている人ももういない。
しかし、こんな作品は これからはもう出来ないだろうなあ。
|
|
  
|