HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
| GEORGE LEWIS “AS RECORDED AT MUNICIPAL AUDITORIUM” | - 2019/09/21
- GEORGE LEWIS “AS RECORDED AT MUNICIPAL AUDITORIUM” HUP RECORDS (USA)
私は古いジャズの中ではJAMES P.JOHNSON や このGEORGE LEWIS などが好きである。 GEORGE LEWISは風情のあるクラリネットのサウンドに痺れてしまう。 その中でもゆったりしたちょっと悲し気なバラードなど、街に現れたらどこまでも後を付いて行ってしまうに違いない、まるでハーメルンの笛吹き男の話のように。
それで、当アルバム。 HUPというレーベルの事も良く分からないがニューヨークの住所になっていて、サラトガという北のほうの良い街である。きっと個人がお金を払ったのであろう。 このジャケットも個人で作ったものであるらしく、様々な種類のジャケット、それも汎用ジャケに紙を貼っただけのシンプルな作りで、しかも紙の位置が上に行ったり下に行ったり気まぐれな感じも出ていて、注文があればせっせと作っていた事がしのばれる。 ブートかもしれないと思いながらライナーを見ていたら、最後の方に、4ドルをニューオリンズの住所に送ればジャズクラブのメンバーシップになれると書いているので、意外にブートでもなさそう。 数種類あるジャケはどれがオリジナルとは言い難いが、どうも昔の人の話では、この写真のものが古そうであるが断定は出来ない。
1951年や1952年の演奏で、この作品の名誉を押し上げているのはなにより1944年に彼自身が作曲した「Burgundy Street Blues」の存在につきる。 勿論人気曲であり何処へ行っても必ずリクエストされるのであるし、また何度か録音もしたのであろう、しかしどの演奏をきいてもそれぞれ味わいがあり、それぞれの感動がある。 なんとも言えないブルースの良い曲(歌)である。 ほぼ私家版であろう当アルバムも決して、大変良い音とは言えないのだが、それでも心に沁みるだけの音質は保っている。 素朴なクラリネットのジャズの演奏はかくありたいと願う音色で、なんども聴き返してしまう。 そしてただ、「自分も生きて来て良かった」と思うのである。
何しろ彼が1900年生まれであり、ジャズエイジと呼ばれる1920年代からジャズを演奏していたのだ。しかも1950年頃ウエストコーストなどを中心にニューオリンズ・ジャズのリバイバルがあり、それがまた彼の音楽人生もまた僅かな収入も、一段アップしたのだ。
録音場所がMunicipal Auditorium(Congo Square) New Orlieans となっているから、ニューオリンズの市民公会堂であろう、ネットで調べたところ、エルビス・プレスリーやレッド・ツッペリンの演奏などが華々しく書かれているものの、ジョージ・ルイスの話題は出て来なかった、残念。 しかしこの公会堂も2005年のハリケーン・カトリーナの洪水で大きな被害を被り未だに再建がされていないらしい。何しろ市の最高の場所でもあり、市民の誇りであるのだが市民の気持ちと資金の問題であれば、どうしようもない。
しかし、私の話も公会堂の方に行ってしまっては、どうしようもない。 今日はここまで!
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| JOHN COLTRANE “LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD AGAIN” | - 2019/09/20
- JOHN COLTRANE “LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD AGAIN” IMPULSE A-9124 (USA)
今回の入荷はモノラル盤である。 今まで何度も当アルバムを扱ってきたのだが、モノラル盤は珍しい。 そもそも最近はオレンジ・ラベルのオリジナル盤も珍しくなってきたと言うのに、モノラル盤となると確率はぐっと下がって、オリジナル盤の中で10分の1弱、という確率なのである。 さもありなん、録音が1966年で、その頃は既にステレオ盤の発売に移行していた時代なのである、しかしマーケットを鑑みて少量モノラル盤を作成したのであろう。
盤の件でちょっと面白い事があるので記しておく。 まず、ステレオ盤、ジャケットの上部が黒い部分が大きく空いていて、左上にSTEREOと印刷されている。 ジャケットの番号は不思議な事にAS−9124となっておらずA-9124となっている。 所がラベルは ちゃんとAS-9124となっていて STEREOと記載もある。 もちろんスタンパーもAS-9124である。 一方モノラル盤、ジャケットの上部に空きは無く、左側に寄せた写真は大きくて、右下にMonauralと印刷され番号はA-9124である。 ラベルであるが、当然A-9124となっている。 ところがモノ盤であるのだが、時々B面にSTEREOと印刷されてしまった物がある、ミスプリントなのであり、スタンパーはA-9124となっているので、やっぱりモノなのである。まあ、どちらもオリジナルである。
演奏の話。 私はこのアルバムが大好きである。 亡くなる一年前の演奏でAliceとも共演し、精神的にも充実していたか自由度が増しており、Cosmic Musicなどのアルバムやら、日本ツアーやらで、良い年でもあった。 特に、このアルバムはNaimaとMy Favorite Thingsの2曲のみで、A面の終盤6分はJimmy Garrison一人での前奏となっていて、心が揺さぶられるソロである。 My Favorite Thingsは生涯に大体3回の正式発売があり、Atlantic1361(My Favorite Things) とImpulse9161 (Selflessness)という事になるが、Selflessnessは1965年録音であるのに、9124の方はたった一年でここまで変わるかとも思える変貌は見事としか言いようがない。 特に、Jimmy Garrisonのソロは、翌年のSheppとのDonaueschingenでのソロと重なって、つい感傷的になってしまう。
いや、久しぶりに感動した。
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| 八方美人 | - 2019/09/19
- 数いる外国人観光客。
中には、タクシーを止めるのに、実車の車や、反対車線のタクシーにまでずっと手を振り続けている人もいる。
今日は、近くの大ガードの交差点の角に立ち、懸命に手を振っている。 周囲にいた人は何だろうと目を向ける。 それがタクシーを探しているとわかって来たのだが、本人は停車中のタクシー、反対車線のタクシー、遠くのタクシー、ありとあらゆるタクシーを捕まえようと、大騒ぎ、その内に交差点の中央にまで出て行ってしまった。 四方八方に手を振る。 みれば結構な美人。 これぞ本当の八方美人。
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| パソコン | - 2019/09/18
- 店のパソコンのスピードが遅いのだが、それほど古くもなし買替えするにも早すぎると、なんとか我慢してやってきた。
しかし、あまりに遅いので業務上困ってしまった。
遂に決心し、メモリー増設を試みる事に、まず、ネットワークにしてある本体デスクトップは16GB増やすことで、これで少しスピードが上がった。 次はノートパソコン、面倒な事は分かっているので近くのビックカメラに相談に行くと、デルのノートに関しては取扱手順が非常に面倒なので、メモリーの増設なども受け付けていないと。 それなら自分でやらねばと、対応のメモリーだけ購入して帰った。 さて、いよいよ挑戦。 ネジが一杯あるなあ、ひっくり返したりしながら進むと、キーボードの下側に付いているフラットケーブルを外す時に、小さなストッパーを繊細だからと、ピンセットを使ってちょっと力を入れた瞬間にポキンと折ってしまった。 あっ!思わず血の気が引く、あらまあ、何と言う事でしょう! これって、一巻の終わりって事?
それで考えたら、確かビルの上の階にパソコン修理という看板があった事を思い出して、相談に行った。 そうして話を聞いたところ「ダメでしたね」の一言。 フラットケーブルは繊細なので、手で扱う事が肝要なのだそうだ。 それを知っていれば、こんな事にならなかったのに。 その後、彼に依頼して重要なデータを取り出していただいた。 最初から相談に来てくださいね、と言われてしまった。
しかし、安いパソコンは仕事には使えないという事がやっとわかった。 残念無念
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| 太っ腹 | - 2019/09/17
- 私はちょっとの事では騒ぎ立てたりしない大物である。
気は優しくて、力持ち。 力は無いけど。
今日の昼、崎陽軒のシュウマイ弁当を食べていたら、シュウマイが一つ、箸から滑って床にコロンと。 せっかくのシュウマイが、800円の弁当なのに、どうやって拾おうと心の中で葛藤があった。 私は思わず血の気が引いてゆくのが分かった。
いやいや、でも私は大物である。
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| RITA REYS “JAZZ PICTURE” | - 2019/08/30
- RITA REYS “JAZZ PICTURE” PHILIS P 08062L (HOLLAND)
リタ・ライスの人気は、取り立ててブームがあったわけでもないが、何となく好調な売れ行きであった。 それが最近、リタ・ライスはあまりリクエストが無くなった。 以前は、仕入の買付けに行くとなれば必ずお客様から「買ってきて下さい」等と言われていたのだが。 現在の人気としてはCOOL VOICE vol.1 とvol.2だけが廃盤価格が圧倒的で、他の物はちょっと落ち着いた感がある。 価格が安いのは良い事であるのだが、それとは逆行して、物が出て来なくなった。 そういう物なのである、「物」と「人」との関係は。 しかしそれはオイトイテ。
リタ・ライスのレコードを聴いていると、感心してしまう。 この人のは本当にジャズ・ボーカルだなあと。 彼女が1960年に、結婚したばかりのピアノのピム・ヤコブスとリリースしたMarriage in Modern Jazzの次のアルバムで1961年の発売となった自信作である。 この頃の作品はどれも充実した出来で優劣つけ難い。 ここでは、ドラマーにKenny Clarkeを呼び、よりアメリカのジャズらしい雰囲気を出している。 演奏は10月12日、アムステルダム近隣の街ラーレン(Laren)のSinger Concerthallで夜7時半から行われた。 観客は手に汗を握るスリリングな歌に興奮したという。 メンバーは、Pim Jacobs, ギターWim Overgaauw, ベースは弟のRuud Jacobs, それにKenny Clarkeを入れたオランダの代表選手による録音である。 バックの演奏は歌を持ち上げたり引いたりして完璧。 彼女の歌は、見事にジャズを感じさせる完璧な歌唱、しかも歌は正確で、可愛くて、強くて、惚れ惚れする歌なのである。
彼女はヨーロッパ最初のジャズボーカル・ファースト・レディなのである。 その後、影響とは大きいもので、オランダはAnn Burtonという後輩も続き、その他、アメリカのジャズの歌に及び腰だったヨーロッパ各国においても、ジャズ・ボーカリスが次々と誕生するのであるから、その実力が凄かったとしか言いようがない。
是非、聴かれて頂きたい。
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| シルバーシート | - 2019/08/28
- 家内が珍しく怒っている。
「シルバーシートの乗車口の先頭で並んでいた、そこに電車が入ってきたら真後ろにいた20歳くらいの男の子が、突然私を押しのけて私の前に出て、そのまま一つしか空いて無かったシルバーシートの席に突進し、ちゃっかり座った」という。 確かに温厚というか、世間の出来事には「人それぞれ」だと、ちょっとの事では怒らない家内ではある。 「情けないと言うか、ああゆう若者がいる事が悔しくて」という事である。
シルバーシートに突進するのは、70歳過ぎた人生の終盤の人達の特権である。 若くてもシルバーシートに突進するのは、もう人生が終盤に差し掛かったという言う人達なのだから、しようがないんじゃない? 若くてもシルバーシートに座っている人たちは、可哀そうに寿命が迫っていて、お迎えが来ているんだよ、きっと。
という結論になった。
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| BILL EVANS “THE COMPLETE VILLAGE VANGUARD RECORDINGS 1961” | - 2019/08/27
- BILL EVANS “THE COMPLETE VILLAGE VANGUARD RECORDINGS 1961”
CONCORDMUSIC (USA) 4LP Boxset
数年前に出たボックス・セットである。 あまりボックスセットは好まれないが、コレクターズ・アイテムとしては、マニアに取って宝物。 箱を開ければ、レコードだけでなく、解説・写真と嬉しい事は限りない。
さて、私も只のボックスならスルーをするところであるが、今回のボックスはちょっと面白い。 順を追って書くとまず音質が良い事。 レコード会社の常套句、「オリジナルを越えた」等という宣伝文句があるが、オリジナルを超えた再発など見た事はない。 このレコードも決して超えてはいないが再発としては上出来である。 地下鉄のブーンという音も再現可能。
それと写真がジャケットや本に使われたネガの写真がそれらしく赤鉛筆で囲ってある。 それぞれのテープの書き込みが興味深い。後に移ったレーベルでの書き込みもある。
なにより、なぜ、レコードに使われなかったかと思える出来の良い演奏「PORGY」の演奏を良い音で聴けるのも嬉しい。 これがなぜ使われなかったかというと、以前もどこかで書いたかもしれないが、観客のざわめきが一際大きいせいであろうか、オバサンの「わははは」という大きな声が入ってしまっている。 しかし、それにしても興味深い出来の良さ。
聴いていたら、あっという間に4枚聴き終わっていた。
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| 洞爺丸 | - 2019/08/25
- テレビの池上彰の番組で1954年の洞爺丸事故をやっていた。
亡くなられた人や家族の無念さには語るべき言葉はない。
家内は我が家は絶対に見ないといけないと録画もしていた、なぜなら、父親が当時、国鉄勤務だったのだが、あの事件の引責辞任をすることになり。 国鉄での人生を終え、しばらく家でぶらぶらしていたのだ。
事件の後は、家でも事件の話はタブーであったらしいのだが、私が一緒に住むようになり国鉄時代の事件の話などしつこく聞くうちに、徐々に話し出して、胸の内を少しづつ語るようになった。 北海道経済を支えていると自負している国鉄職員たち、その必至さも台風の中出航に繋がったのかもしれない事、事件後の社会に対する針のムシロの無念さもよく話していた。
もうあれから半世紀以上も経っている。 歴史は進む。
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| 百日紅 | - 2019/08/24
- 今年も咲いたサルスベリ。
やっと咲いて枝垂れてきた。
いつもは 8月と同時に咲くのだが、今年は7月が寒かったせいか、なかなか枝が伸びず、やきもきさせられた。 しかし、8月になり晴天続きで暑さももあってかぐんぐん枝が伸びてくれた。
私にしてみたら、「今年も見られた」という気持ちかな。
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