| クラシック・名盤、Ida Haendel(イダ・ヘンデル)のレコードの事。 | - 2024/08/22
- Ida Haendel “Recital” Melodiya D-07287/8 (ソ連)
こんな珍しいレコードが入るとは! 長い事商売をしていると、こんな良い事に出会うものだ。 まず、イダ・ヘンデルの事、1928年ポーランド生まれ、どの本やネットにも同じ事が書かれているのであろうが、ちょっと経歴をなぞる。 世の中には天才と言われる人がいる、100人に一人の天才ばかりの中にあって、そのまた1万分の1の天才と言われる人。彼女も幼児の頃から天才と言われ、5才にして有名曲をものにしており、7才の時1935年に第一回ヘンリク・ヴィエニャフスキ・国際コンクールで7位になる。 因みにこの時1位はジネット・ヌヴーで、2位はダヴィド・オイストラフであったが、1位のヌヴーは15才、2位のオイストラフは25才であったが、オイストラフは1位になったヌヴーを大絶賛している。 天才はある時、固まって世の中に出現するのである。神の如し。 彼女はユダヤ人であったが、災難を上手くかわす事が出来たのであるが、それでも、演奏活動に於て多分に政治的にも利用されることなどあったらしい。
演奏はシベリウスやブラームスなどに高評価があるが、若い頃の演奏はSPから始まり、その記録はモノラル盤で再発されている。また彼女の録音嫌いは有名で、もっとも脂の乗り切った60−80年代の録音が見当たらないのが悔やまれる。
今回のアルバムは1956年?でロシアで録音したものである。演奏に招かれた際、録音したものらしい。 この再発盤はごく偶に見かける事がある、といっても数年に一度という確率であり、それでも何万円もするので、再発でもメロディア盤は余程珍しいのであろう。 ラベルはブルー・トーチ(青ラベルに松明)と言われる非常に古いオリジナルでモスクワの工場である。ちなみにレニングラードの工場からもプレスされておりクリーム色のラベルであって、社名はAkkopa(英語名Acord)と印刷されている。往々にして2度目のプレスと言われるのだが、工場の違いだけでどちらが古いかという確証はない。因みに音質は若干異なるが、好みの問題が大きいと思っていい。
私は同盤で3回ほど見たことがあるのだが、ジャケットは皆異なっている、それはいわゆる共通ジャケと呼ばれるものであって、便宜上付けたジャケットに過ぎない。
この作品で貴重な曲が2曲ある。A−1がバッハのソナタChaconne.、 B-2がシューベルトのAve Mariaで、どちらも一度は聴くべき名演であって、シャコンヌは変幻自在の迫力、アベマリアにいたっては美と情念の迫力が迸る。 演奏はモノラル時代なので、古今名盤の範疇に入る。 特にモノ針で、大型スピーカーで聴いた時の印象は恐るべきものがある。 一生の内に一度は聴きたいアルバムである。
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