HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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PETE LA ROCA “BASRA”
2014/12/24

PETE LA ROCA “BASRA” BLUE NOTE 4205 (USA)

好きな一枚。
20代の若い頃に買って、ずっと愛聴盤だった一枚。
ジャズもハードバップの時代も終わり、こんなジャズの時代が来たのかと興奮した。
聴く度に興奮していた。
メンバーも凄いのだが、テナーがジョー・ヘンダーソン、ピアノはスティーブ・キューン、ベースがスティーブ・スワロー、ドラムが本人ピート・ラ・ロッカ。
みな若い。
新しいイマジネーションが迸っている。
当時の記憶であるが、このアルバムを最初に聞いた時に感じた事は、「自分はジャズを聴いていて良かった」という事に尽きる。
時代の息吹を感じるジャズを聴けた喜びが大きかった。

ジャケットはエキゾチックさがある布のガラのようでブルーノートにしてはヘンなガラである。
しかし、曲を聴いた感じからすると違和感はない。

このアルバムはもちろん新譜で聴いた訳ではない、4・5年遅れくらいで聴いたのだが、それでも驚異の一枚だったのだ。
私はちょっと遅れて聴いていたのだ。
残念だ。
ま、そういう時代だったし、経済的に無理な相談だった。
こうして考えるとジャズなど音楽を時代に合わせて聴いて行くという事の困難さは、筆舌に尽くしがたい物がある。とどの詰まりはお金であるが故に。
金と情報、どちらも持っていないといけない、って無理に決まっている。
金の話は置いといて、モトエ。

冒頭の「MALAGUENA」は、かつての有名曲「マラゲーニア」、よく聴かないとテーマが分からなくなってしまうが、まぎれもない「マラゲーニア」。
ジョーヘンのサックスはちょっとヘンな響きで、それは妙な哀愁になっていて良い。
他は彼のオリジナル曲が続く。

タイトル曲になった「BASRA」。当時の黒人ジャズメンの多くはイスラムに改宗した人が多かった。彼もまたそんな一人だったか、バクダットの南方の街、世界史においても歴史的な中心地であった、バスラの名前をつけたのだから、余程気合が入っていたのだろう。
精神性も感じさせる、遠い昔への郷愁と、不思議なエキゾチックさが滲んで良い曲に仕上がっている。

ジョーヘンとは、63年の初リーダー「PAGE ONE」でも共演しているので気心は知れている。
ここでもジョーヘンの働きは大きい。
従来の情緒を取り払ったサウンドなのに、新しい情緒が生まれているのが不思議で、これぞ新主流だったのかと思ったのである。

PETE LA ROCAのリ−ダー作の少なさが実に惜しいと思うのだが、まあ、これも人生と。

誕生日
2014/12/23

今日は天皇誕生日。
クリマスイブの前日なんてまあ素敵な事。

ところで、facebookから連絡が来て、今日は○○さんの誕生日です。と友人の誕生日を知らせるメール。
それで、「天皇陛下と同じ誕生日で、おめでとう」とメールをしておいた。

そうしたら夕方、友人から返事が来た。
「そうなんです、天皇陛下と同じだったのです。でも、弟は昭和天皇と同じ日、4月29日でした」だって。

二度びっくり。

そういう縁起の良いというか、恐れ多いというか、不思議な縁の家もあるもんだね。


豚シャブ
2014/12/22

最近、豚シャブにハマっている。
作り方は簡単で、キャベツをせん切りと豚バラ肉のシャブシャブ用のみ。
それを出汁に入れて火が通ったら食べるだけ、ほとんどタレも要らない。
この料理が面白いと思ったのは、料理の「基本」だけで成り立っているところ。

まず、キャベツの線切り、これは学生時代レストランでバイトをやっている時に、毎日10個以上切っていた。
ひたすらに細長く薄く切る事を念じて、トントンと切って行く。
これが出来なければ、先の仕事を教えてもらえないと言う、基本中の基本。
まずこれが料理の第一歩。

次に出汁。
これなど日本料理の基本中の基本。
昆布と鰹で丁寧に出汁を取る。
丁寧にきちんと取れば、少々タイミングを外そうが、失敗しようが美味しい。
酒、みりん(本当のみりん)、塩、醤油で味を付ける。
味の素に頼らないのだが、最後にどうしても味が薄かったりしたらパッと一振りしても悪くない。
でも一振りだけ、決してラーメン屋のようにスプーン一杯入れない事。
これが出来たら完成。
後はキャベツを入れ煮立ったら豚肉を入れ、火が通ったら食べるだけ。

きっと受けるはず。
この料理はちょっと前に友人に専門店に連れて行ってもらって気に入ってしまった。
キャベツと豚肉だけって悪くない。
肉の厚さは、食感の関係上しゃぶしゃぶ用にすると良い、また油身の多いバラがとても良く合う。
バラ肉だと価格が安いのもあって有難い。

お父さんの得意料理にどうかな?


紅葉
2014/12/21

昼飯に行って帰ろうとすると、やけに風が強い。
私の帽子に銀杏の葉がとまった。
それを取りながら、ふとロンドンの街の風景を思い出す。
秋のロンドンは落ち葉を踏みしめて歩く。
大きな木の街路樹から落葉はカーペットのように積る。

ロンドンに住みたいなと思う瞬間でもある。
もちろん民族の異なる国など住んで良い事など無い事は、私だって知っている。
けれども、日本であれば、落ち葉があると区役所に電話してすぐ片付けろとか、銀杏(ぎんなん)が臭いとか大騒ぎ。また街の掃除もすばやくて、そんな風情など全くない。
その後は、造園業の車が繰り出して、木の枝を短く短く切って進む。

そこに行くとロンドンの人たちは、辛抱強いのか、秋の風情を楽しむのか、それとも誰一人として役所などに電話等しないのであろうか。
それとも住人の苦情に対して、役所もウルセイ!と一括する強さを持っているのか?
どちらにしても私は感心してしまうのである。

でも、東京だって木々は紅葉するのである。
最もロマンチックな季節でもある。

都会では 柿の葉紅葉 にも感動


モニカの話で
2014/12/20

年の瀬だと言うのに暇なこと。
では暇に任せて今、旬のMONICA ZETTERLUNDの話と併せて開店当時の事など。

当時は親切な方々も沢山来られた。
その中に、当店のカートリジにモノラルが無い事を確かめて、一本持って来てくれた人がいる。
オーディオ・テクニカのモノラル用、もう使っていないのでくれると。
私の好みでは無いが、せっかくのモノラルなので有り難く頂戴しておいたがその後、使った事は無い。

私に急用があって、彼だけが暇そうなので2日間店番を頼んだ所、売り上げがそっくり無くなっていた事があって、呼びつけて怒った。
勿論売り上げの記録も付けてない。
そうすると彼は、釣銭が無かったから自分で出したからだという。
前日に4万円渡してあった事を確認すると、当日家に忘れてしまって、釣銭を店に置いてないから自分は苦労したのだと、あたかも私の責任のよう。
よけいに怒って、解っている分だけでも払えと言ったら、被害者のような顔をして渋々はらった。
売り上げの半分も払ってないだろう。

その内に、モニカ・ゼッターランドのビル・エバンスとの共演のアルバム「WALTZ FOR DEBBY」が壁に飾ってあるのを見つけて、彼が欲しいという。
ただ5万円のお金をどうやって支払か考えているらしかった。
やがて、彼が口を開いた。
「ちょっと引いて下さいよ」
「いいですよ一割くらいは」
「それでね以前、御宅にカートリッジを差し上げましたよね」
「うん?」
「あれはね、3万何千円もするんですよ。それを3万で売る事にしましょう。」
返すと言いたい所を、私は冷静を保って「それで?」
「4万5千円から、そのカートリッジ代を差し引いて1万5千円」
「それで?」
「いやいや、色々私も協力したのだからもうちょっと、引きなさいよ」
「?」
「一万も払えば良いでしょう」
ムッとした私は「あなたはそう言う考え方で良いのか?」と尋ねると
彼は「良い」と。
私も彼と縁が切れるならそれも有りがたいと思いOKとし、1万円を置いて彼は去った。
彼が帰る時に「あなたとの縁はこれきりですよ」と。
カートリッジは数日後、誰かにあげた。

その後彼は、ショップを開いて同業者になった。
その内に、奥さんという方が来た。
挨拶だと言いながら奥さんはこういった。
「ディスク・ユニオンは怖くは無いけど、怖いのはハルズです」

何が怖かったのだろう? 今もって、私には謎である。
勿論訊く気も無い。

THE BEATLES “A COLLECTION OF BEATLES OLDIES”
2014/12/19

THE BEATLES “A COLLECTION OF BEATLES OLDIES” PARLOPHONE PCS7016 (UK)

今回入荷のこのビートルズのベスト盤、大変音質が良くて驚いた。
かつての日本盤のイメージしかなかったので、聴いてみると生々しい音。
ジャケットも盤も大変綺麗なオリジナル盤だけの事はあったので、傷が無い分、それなりに音質も期待できるかなと思ったのだが、それ以上の音質。

このアルバムはベスト盤。
だが、只のベスト盤にあらず、それはLP未収録のシングル盤を中心にしたものなのである。
シングル盤といえばモノラル・カッティングである。
そのモノラルのまま収録したのではなく、ステレオにミックスして収録した事に意味があって、頑張った分だけ音質はぐっと向上している。

特に「A HARD DAYS NIGHT」の始まる部分のジャーンという不協和音の所、これほどの生々しい分離能力のある音で聴いた事が無かったので、店にいた一同って3人だけど、びっくりして、感心。
まあ、1秒半の間だけ感心しても仕方ないが、そこは蛇の道は蛇。

久しぶりに聴いた。
なにしろ、ビートルズのレコードは聴いていて知らない曲が無いのがいい。
あの時代のは、いいねえ。

BARNEY WILEN “FRENCH BALLADS”
2014/12/18

BARNEY WILEN “FRENCH BALLADS” IDA IDA-014 (FRANCE)

私の好きな一枚。
1987年のアルバムである。
CDの時代に入っていて、私はもうレコードを買わないようにしていたので、当時このレコードは買っていなかった。
このIDAというレーベルからは、バルネの作品は他に2枚もリリースされていたにも関わらず。
その後、何年か経って人に薦められて、レコードで発売されていた事を知って慌てて買った。
レコードの出来はどれもが良かった。
バルネはやっぱりナンバー・ワンのテナー奏者だと思った。
オン・タイムで買わなかった事を後悔した。

その中でどれがどれという事は出来ないが、大変良い出来である。
このフレンチ・バラッズというタイトルであるからフランスのエスプリがどのように表現されているのかと思って聴くと、期待を裏切る事はない。
内容は勿論シャンソンからも得ているがミッシェル・ルグランの曲も多い。
説明がフランス語なのでちょっと困る事も無い訳ではないが。

「SOUS LE CIEL DE PARIS 」言わずもがなの「パリの空の下」である。
ジュリエット・グレコの歌など喜びにつけ、悲しさにつけ何度聴いた事か、
パリの空の下、歌は流れる....という歌詞。
そんなパリの日常の街と人の風景を歌った歌。
それをジャズでやっても素敵。
人々の明るさをシンバルの音色で表現したのかも知れないと思って聴く。

「L’AME DES POETES」(詩人の魂).
詩人がいなくなっても、街に歌は流れる....
というシャンソン。
どうしたってフランス人の彼は、歌の雰囲気を外すことはない。
「枯葉」も出てくる。
確かにパリの良い風情をそのまま聴かせてくれる。
ピアノのMICHEL GRAILLIERも、こういう曲の演奏は外さない。
良いアルバムである。

IDAの他のアルバムもそれぞれ感心するできで、これが手に入れば、あちらも欲しいと言う事になってしまうのは仕方の無い話である。

駐車禁止で
2014/12/16

店の下の道路に駐車して、レコードが入った箱をいくつも降ろし台車に積み、エレベーターで店まで運び、仕舞って、早く車を動かさないと駐禁で捕まるといけないと思いながら下に降りたら、既に紙を貼られた後。
例の二人組が嬉しそうに取り締まっている様子が目に浮かぶ。

運んだ荷物を降ろす事もままならない。
車とは運搬のための道具である、従って到着すれば、人なり荷物なりを下す事は当たり前の行為、その行為を否定するとは、どういう思考回路なのであろうか。
タクシーの運転手がトイレに行く事すら許していない国って凄い。
なんという残酷な国なのだろう、日本と言う国は、と私は怒った。

ところで、日本の国家権力は駐車禁止の事をどういうふうに解釈しているかというと。ちゃんと記載がある。

放置車両とは、違法駐車と認められる車両で、運転者がその車両を離れて直ちに運転する事ができない状態にあるものをいい、駐車時間の長短は問いません。(配達や貨物の積み卸しのためでも、車両を離れ直ちに運転する事ができない状態になれば、放置車両となります)

要するに、一人で運転している人は、車が停止して離れた瞬間、あなたの車は放置車両だと。
我々は、放置という概念は、すぐに戻って来られる事、または気に掛けている状況を、日本語では放置とは言わない。
そんな馬鹿な取締りの発想は何処から生まれたのか。
本当にムカつく。

どうりで、ここ新宿駅の近くの交通量の多い所で、やくざの車の運転手が3時間も停車しても、警察は手出しが出来ないのは、こういう下らない集金のための、取締りのための、取締りをしているからである。
こんな事で警察に協力するものがいるとでも思っているのか?
と怒っても、幾ら残酷でもこれこそ日本人が望んだ取締り。
私一人で反対してもどうにかなる物でもない。

しかし、警察官の顔を見る度にムカつく。
それが最近は、新宿にいると警察だらけ、毎日陰に隠れて一時停止の取締りか。
こんな人たちの給料のために税金が使われていると思うとメゲる。

ジャック・ダニエル−シナトラ 
2014/12/15

ウヰスキーの話。
友人が、やっと探しあてたと携帯で興奮地味に話している。
フランク・シナトラのウヰスキーだと。
一度、酒屋で見かけたのだが、次回でいいやと後回しにしていたら、市場から消えてしまい、伊勢丹で2万円だったので、悔しくなって、顔の利く格安店に頼んでおいたら入れてくれたと。
わざわざ買って持って来てくれた。

確かにコレクター心をくすぐる作りで、ラベルには「Sinatra」と書かれている。
箱も立派な造りだが、中にブックレットが付いていて、フランク・シナトラとジャック・ダニエルの会社の事が書かれている。
見れば欲しくなってしまう逸品。

今回の私の友人、当店の紙袋のデザイナーなのだが、凝り性なので、どんな些細な商品にもうるさい。
その彼の話による
 シナトラ本人にオレの専用の酒をつくれと言われた会社だが、それは無理だと断った、しかし、全部買い取れば良いだろうと言った。
それならばやるかと、専用の樽から作る事になった、通常の樽と異なって、この樽は内側に溝を切った。
そうすると面倒なので誰もやりたがらないが、お金を頂いているので、そうしたらしい。
その内に、本人が先に亡くなってしまった。
それが今回、こうして世の中に出て来たものだそうだ。

ボトルも素敵。
飾って良し。
ジャズのファンとしては、ちょっと嬉しい。

味は?
私はもったいなくて開けられないが、持ち帰って即開けた友人の話によると、まろやかで口当たりが大変よろしい、という事である。
シナトラのレコードを聴きながら、ストレート ノー・チェイサー!

しかし、ウイスキーは水がないと飲めないよ。

DEAN MARTIN  “DREAM WITH DEAN”
2014/12/14

DEAN MARTIN  “DREAM WITH DEAN”  REPRISE R6123 (USA)

このアルバムは、男性ボーカルで声を張り上げないで歌って欲しいアルバムのナンバーワンにもなろうという作品。
私も一枚持っている。
一度手放してしまったのだが、どうしても欲しくてアメリカかどこかで購入して今に至る。
それ以来、ずっ〜と手元にある。
時々チリチリというノイズが入るが、このアルバムはそんな雑音があっても気持ち良く聴く事が出来る、不思議なアルバム。
疲れた時や、これで最後にして寝ようかな、などという時に聴く。
また、オーディオの男性ボーカルが、「太く」しかも「風情」が出ているかどうか、そしてギターの音がしっかり存在感が出ているかどうか、チェックする際にも使う。
こういうレコードから風情がなくなったら拙いから。

このアルバムは家に来た人に聞かせようとすると、知っているよと、大体今更という感じになるので、最近は余り人に書かせることが無くなった。
以前、知合いにこんなの知っているかと聴かせたら、その人が気に入ったらしく宣伝して歩いて、いつの間にか、彼の方が私に教えた事になっていて、ちょっとムカッとした記憶がある。
しかし、聴けばそんな昔の事も忘れる気持ちの良い、ムードいっぱいのアルバム。
海外買付けに行った時には、常に探していた一枚である。

暖炉の前で火を見つめている彼は、ディーン・マーティン。
シナトラ一家の一員として俳優・歌手として日本でも大人気で、西部劇にも出た。
テレビの酔っ払い司会も有名だが、実は後になって彼は、酒は一滴も飲めなかったと聴いて驚いた。
アメリカのエンターテイメントの奥深さ、凄さにぞーっとしたのである。

という彼の唯一のジャズっぽい作品で、バックのギターがツボを押さえて妙。
後ろのライナーを見ると、ちゃんと記載があってバーニー・ケッセルにレッド・ミチェルのカルテット、こんなバックがいるんだもの悪い訳ないや。
1964年の吹込み。
彼の人気盤は数あるが、歌、演奏、サウンド、風情どれをとっても超一流。
勿論大ヒット曲の「Everybody loves somebody」も収録。
冒頭の「In confessin’」などカッコよくて痺れてしまう。
2曲目も、3曲目も、ってキリが無い....
ちょっと酔った感じで歌っているね。見事!

是非、手元に一枚置いて、疲れた心を癒して頂きたい。
世の中は嫌な事がいっぱいあるからさ。

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