| BENNY BAILEY “QUINTET" | - 2018/10/05
- BENNY BAILEY “QUINTET Feat BERNT ROSENGREN” SONET SXP 2515 (SWEDEN)
45回転 7インチ・レコード
今回の入荷は大変珍しいモノ盤のEPである。厳密にはEPでは無く7インチという、ヨーロッパのコレクターに言い直しをされる事も多々ある。 シングル盤では無い理由は、片面の演奏時間もかなり長く、アメリカにおけるシングル・カットとは異なるからで更にジャケットも付いているのである。 ヨーロッパのEP文化の面白いところである。ジャケットもコーティング剥がれもなく綺麗である。
さて、ベニー・ベイリーが1950年前後であると思われるが、ライオネル・ハンプトン楽団の一員としてヨーロッパツアーに参加し、楽団がスエーデンに行った際、彼は突如残留を決意。 以来、ヨーロッパにおけるビックバンドの重要なトランペットの地位を確立し、一時期のクインシー楽団、クラーク・ボランド楽団などで活躍したのである。 特記したいところはクインシーによる「Meets the benny Bailey」という曲まで頂戴したこと。 クインシーはスエーデンにおいて当時大人気であり、記者会見が行われ、記者からの質問でこの曲に触れベニー・ベイリーなどになぜ会わなければならないのか、とやや小馬鹿にした言い方をされ、君たちは何もわかっていないと席を蹴ったという話を現地で聴いた事があるほど、アメリカの才能が国外に出てしまう事を惜しんだ。一説によると恋に落ちたからだという話である。 また、当店の常連の中に、ファンがいて彼の調査によると、クラーク・ボランド楽団における膨大なコレクションの中でベニー・ベイリーは皆勤賞であるという事を発見した。 ただディスコグラフィーに一枚載っているが見つからないという話であったが、それは私が探したところ、番号も与えられ発売予定であったが、残念ながら発売に居たらなかった物であった。
という話は置いといて このEPは彼がスエーデンにて録音を、56年からそれこそ毎年一枚づつ作ったものの一環である。 これは59年の傑作で、名手ベルント・ローゼングレンとの2管クインテットである。 なにしろ、A面のSonny Boyの出来が素晴らしい。ピーッとなる独特のサウンドが気持ち良い所にローゼングレンのテナーもバリッとして気持ちが良い、実にジャズらしい曲である。
ベニーベイリーは、BeBopからのジャズメンであるが、楽団の演奏が長いだけに、ある意味中間派でもあり、とても近代ジャズとも合うとは思えないが、その後のモードのプレイヤーとも十分に渡り合っており、なお素晴らしいプレイを見せているところが、私は甚く感心するのである。
ぜひ、チャンスがあったら、聴いて頂きたいと切にお願いする処である。
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