| DAVID SANBORN “HEART TO HEART” | - 2016/11/09
- DAVID SANBORN “HEART TO HEART” WARNER (USA)
フュージョン人気と相俟って大人気のデヴィット・サンボーン、すっかりジャズ・ファンからは遠い人になった感がある。 それで、この人のレコードが店に入荷しても、2・3の作品を除き、最後は100円コーナーに納まるくらいである。 私も、まあ、そんなものかなあと思ってもいる。
しかし、そんな彼の作品のなかで、この一曲は別格といえる一曲があって、それを書きたいが為このアルバムが入荷してくるのを待っていたのである。 むさくるしい濃い顔の男のジャケットである。 捨てる神あれば、拾う神ありというがごとし。
このアルバムは基本的に、フュージョンである。 さて、それなのに、この一曲とはA面2曲目の「SHORT VISIT」。 全体フュージョンの中で、この一曲だけは只ならぬ雰囲気が漂う作品。 後ろのライナーを良く見ると、アレンジがギル・エバンス。おっ! 友情出演か? やっぱりそうかと針を下ろすと、期待を裏切らないギル・サウンドが流れてくる。そして、全編にわたって見事なソロを展開するのは、この主人公のデヴィットザンボーンなのである。 音楽性高いギルのバンドを向こうに廻し、堂々たる演奏ぶり。 実に痛快なジャズを知りつくしたジャズメンを感じさせる、立派なソロである。
この曲はギルの十八番でもあり、別のLP 「Priestess」の中でも聴く事が出来る。 それぞれのアルバムにおいてノリの良さと楽しさはある。 しかし、当アルバムのこの一曲は、ギル・エバンスの作品の中に於いても、上位に来る力作なのである。
ギル好きには今更の釈迦に説法かもしれないが、知らない人は覚えてね。
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